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地域経済を支える金融機関の使命!

皆さん、おはようございます!
経済指標に悪材料が出はじめています。新たな経済構造確立に向けた産みの苦しみかという感じがします。従来の製造業を中心とした日本の経済は、地方の中小企業をも包摂した縦割りの産業構造を持ちますが、今やその枠組みをも変えて行く必要があるのでしょう。



金融庁は地方銀行による企業への出資規制を一部緩和する方針です。現在は原則5%までに制限されている出資規制について、地域産品の市場開拓などを通じて地域活性化に取り組む会社に対しては、全額出資も視野に規制を緩めるそうです。地方銀行の営業地盤である地域経済の活力を取り戻さなければ、地方銀行の経営にも影響を及ぼしてしまいます。


具体的には、農産品や工芸品など地域産品やサービスの販路を開拓したり、共同でPRしたりする地域商社への5%超の出資を認めることを想定しています。銀行は財務健全性の維持や貸し手としての強い立場を悪用を防ぐため、一般の事業会社に対して5%までしか出資できない規制があります。


手足を縛っている規制を緩和することで、自らの経営基盤である地域経済の活性化を後押ししやすい環境を整え、厳しさを増す地方銀行経営の打開策に結び付けて行きたい考えです。今までの銀行経営は、資金を企業へ貸し出すことを通じて地域経済を下支えしていましたが、これからは銀行が直接企業を支援していく時代だと思います。


一方、全国の信用金庫の上部団体である信用中央金庫は、全国の信用金庫が事業承継に関する情報を共有できるサイトを開設します。参加する信用金庫の営業担当者が後継者難に悩む中小企業の情報を持ち寄り、従来の10分の1以下の仲介手数料で地域を超えた中小企業同士のM&A(=買収と合併)が実現できるようになります。


サイト上で全国の信用金庫が事業承継に悩む中小企業の後継者を募集し、取引先の中小企業に対して信用金庫側から具体的に後継者の提案が出来るようになるようです。M&Aでの事業承継は費用が高く、M&A専門企業に仲介を依頼すると1000万円規模の手数料がかかるという現実がありました。


また、信用金庫でも地域の雇用を維持するため事業承継に力を注いできましたが、信用金庫の営業地域は限定されるため、地域を超えたM&Aによる事業承継に限界がありました。これにより後継者難の事業承継にはずみが付く可能性があります。問題は、事業承継の成約に結びつく様な企業同士の仲介には専門的な目利き力も必要なことでしょう。


どの様な事業でも遣り方一つで伸び行く潜在力を秘めているものです。今までの地方経済圏における中小企業は、大手企業からの下請けの仕事が大方を占めていたということが出来ると思います。その大手企業が、モノづくりからコトのサービス化という事業構造の大きな転換点に立たされていますので中小企業への影響も多大だと思います。


大手企業からの仕事が期待できなくなった今日において、中小企業は改めて自らの持つ商品、技術力、ノウハウを見つめ直して、社会で必要とされていることを事業を通して解決すべく、新たな市場を探しあてて行く必要に迫られています。それは、考えていてもはじまらず、お客様との対話を通して見い出して行くことが近道です。


今までの産業内での位置付けや事業運営の遣り方を止めて、新たな遣り方に変えて行くのは、そんなに簡単なことではないものと思います。その為に、外部の支援者を上手く活用することも必要だと思います。その様な時に、地域金融機関がどこまで頼りになるのか、一抹の不安も残ります。


今日に至って、地域経済を梃入れする枠組みが矢継ぎ早に出来つつあることは喜ばしいことだと思いますが、その制度を活用して実際に地域の中小企業の活力を取り戻すのは最終的に人間の英知であることは疑う余地もありません。地方の中小企業を見ていますと、実際に事業を司る側にも、それを支える側にも人財が不足していることが否めません。


政府の副業・兼業制度を活用した地方企業を支援する枠組みも動き出すと思いますが、地域の金融機関ももっと債権者という立場を度外視して、中小企業の支援に乗り出して行くべきだと思います。その時に大切なのが、過去の枠組みに捉われない自由な発想で事業を捉えていく視点だと思います。


日本が抱える問題点は、首都圏、地方都市の違いに拘わらず、人間が過去の慣習や方法に捉われ過ぎてしまい、独創的で自由な発想でものごとに取り組んで行く力が弱まっていることにあると思います。それを取り戻す為には、まずは自分の足を運んで現実を直視し、そこに関わる人々との対話を欠かさないことでしょう。


今日もありがとうございます!
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