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サカナバッカ、新しい専門店!

皆さん、おはようございます!
家の周りを見渡してみますと、クルマで10分程度走ればスーパーが8店舗もあります。価格のリーズナブルさと品数の多さから、いつも行くスーパーが1~2店ほど。時に生鮮品に拘りたい時は、他の店を使い分けたりしています。



どのスーパーも取り扱っている商品に大差はありませんが、消費者であるこちらが同じスーパーにばかり行っていると飽きてしまい、時として違うスーパーに行って気を紛らわせているのかもしれません。よく考えてみますと、こんなに狭い商圏にスーパーが乱立しており、供給過多であることは明らかだと思います。


一方で、どのスーパーにも様々なメーカーの商品が所狭しと棚に陳列されており、これだけのアイテム数を揃えるスーパー側の在庫コストを考えますと、店舗を運営して行くのも大変だろうと思わず同情してしまいます。スーパー業界も、規模の経済を追求し、マスマーケットを対象とした商売を行い、現在の姿がある訳です。


その意味では、店舗、店舗に陳列する商品を標準化することにより坪効率(=売り場単位面積あたりの売上高)を高めることに注力してきたが為に、店舗の面白みが失われているということが出来ます。また、最近ではネット通販の興隆により、買回り品の価格訴求と利便性が高まっており、消費者の多様なニーズに応えられているのか疑問です。


その様な中で、最近、サカナバッカという卸を通さず、漁港から直接仕入れる鮮魚小売専門店の存在が目を惹きます。その店構えは、サカナという文字が入っていなければカフェと見間違えるような店舗であり、一般的な鮮魚店のイメージとはだいぶ異なっており驚きます。東急線沿線の中目黒、都立大学、中延、品川などに4店舗あります。


通常、魚の小売と言いますと、売れ残っては困るので、どうしても売れ筋の少品種しか取り扱わないことが多いと思います。特にスーパーはそうだと思います。ところが、このサカナバッカでは、産地の漁港から魚を直送で仕入れるシステムを導入している為、多品種の魚を値頃感ある価格で提供することに成功しています。


ただお店に魚を陳列して販売するだけでなく、マグロの解体ショーや産地イベントなどを定期的に開催し、お客様が参加できる様にしており、マルシェの様な雰囲気があります。
お客様のご要望に応じて魚を下ろしたり、普段見掛けることのない産地ならではの珍しい魚の食べ方をお客様へ提案しています。買い物がワクワクすると思います。


お客様の消費者行動も時間とともに移り変わってい行きます。確かに、高度経済成長下の消費者心理は、良い商品を少しでも安く手に入れることに務めていたと思います。その為には隣町のスーパーであろうが、チラシを片手にお目当ての商品を目指して、走りまわっていた記憶が今でも残っています。


スーパー側も、この安さを追求する為に、卸売業を中抜きしてメーカーと直接取引を行ったり、PB商品やSPAなど商品企画や製造分野にまで手を伸ばしてきた経緯があります。そして、売り方として実店舗販売するだけではなく、ネット販売により直接商品を自宅まで送り届ける段階にまで至っています。


しかし、お客様の心理も多様化への道を進み、商品に対する価格や品質のみならず、その商品にモノとしての意味からコトとしての意味を求めるようになっています。先ほどのサカナバッカは、そのコトの部分を巧みに捉え、お客様を飽きさせないのではないかと思います。今日はどの様な魚が、どこの漁港で水揚げされたのかという楽しみがあります。


今後、サカナバッカの肉版、野菜版など、様々なマルシェが登場してくるのではないでしょうか。この様に考えますと、スーパー業界も、いまのままでの店舗業態では、いずれ新たな形態の未来型専門店との競争に敗れて行くことになり兼ねません。その為には、新たな業態開発を行い続けて行く必要があると思います。


情報技術革新により、店舗運営の省力化やネット販売など、売り方のイノンベーションは進んで参りましたが、肝心の取り扱う商品の変革が待たれるところです。卸業者に任せた品揃えには限界があり、またスーパー業界のビジネスモデルに深く根付いているため、それを変えるのは容易ではないと思います。


スーパー業界の将来像は、サカナバッカのような祝祭性のあるマルシェを複数店内に誘致して、場所貸しと売る為のシステムを提供する業態に変容して行くのではないかと思います。スーパー全体が昔懐かしい商店街の様な作りであったら、お客様も今日は何がお得なのかを楽しみながら買い物が出来るようになることでしょう。


今日もありがとうございます!
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