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最後の決断、創業者の心理!

皆さん、おはようございます!
会社を経営していますと、よい時ばかりではありません。順風満帆に事業がいっている方が珍しく、様々な落とし穴が潜んでいるものです。経営とは目の前に迫っているリスクのみならず、潜在的なリスクにいかに備えるかということかもしれません。



中小企業が10年以上存続する確率は僅か5%前後と言われています。この数値を事業をはじめる前に知っていれば、多くの人が起業という無謀なことはしないものでしょうか。事業をはじめる時は、恐らく誰しも自ら手掛ける事業は失敗しないという勝算をもっているのではないかと思います。


例えば、既にお客様の顔が見えているとか、販売すべき商材が手元に存在しているなど、自らが経験してきた事業の延長で新たな事業に取り組むのが普通だと思います。起業をともにする仲間たちの高い士気も手伝って、やる気に満ち溢れているのが、この事業をはじめる前後だと思います。


どれだけ睡眠時間を削って仕事をしていても、気が張っているので無理が出来てしまいます。ちょうどランナーズハイに似たような状態とでもいうのでしょう。例え、どんなに小さな企業であっても、ゼロから事業を興すには、自らの事業を世の中に問う、強い信念と少なくとも怖さが入り混じった様な気持になると思います。


いざ事業をはじめますと、終わりのない航海に踏み出していることに直ぐに気が付きます。事業が上手くいっていようが、思う様に立ちあがって行かなくとも、創業者はその事業とともに一生、苦楽をともにしていく覚悟の様なものが必要です。サラリーマン経営者の様に、一定期間ごとに社長が変わるということがありません。


どんなに優秀な社員を雇い入れても、仕事を進めて行く上で仕損じることもあります。その様な時に、全てを甘んじて受け入れなければならないのが社長というものです。社員に仕事を任せている以上、箸の上げ下げまで全てを把握する訳にはいきませんので、その様な時には遣る瀬なさを感じるとともに、泥水をも飲み込む度量が必要です。


その様な日々を繰り返しながらも、事業を進め行くビジョンを追い求め続けなければなりません。将来のことなど未知数である中で、何が正しいか否かに拘わらず目標を掲げて走り続けなければ、船が沈んでしまうという強迫観念にも似た気持ちにさせられてしまうのが創業経営者なのかもしれません。


ものの例えとして、無重力空間を漂い、地面を歩いている様な感じがしないのが、起業したばかりの社長なのです。よく起業して成功を収めた企業には創業者を支える参謀がいるものですが、この参謀が社内外の調整を実務的にこなし、創業者の良き相談相手として存在しているか否かが、会社の運命を決めるといっても良いと思います。


創業者が陥り易い罠として、創業者自身があれもこれもと何でも自分で遣らなければならないという錯覚に陥ってしまうことです。早々に、社員に仕事を委譲してマネジメントに徹する器量も必要です。起業は、自分のできることから小さくはじめることと、相矛盾しているようですが、会社が軌道に乗り出したら仕事の遣り方も変える必要があります。


創業者というものは、自分の事業に対して強い信念を持ちながらも、実際の事業運営に際しては、環境の変化を見て柔軟に自身を変えて行くしなやかさが不可欠です。よくありがちな失敗例として、自分の考え方に固執してしまうことです。強靭なカリスマ性は組織基盤が盤石になってから必要とされます。


その様な多難の連続を乗り越え、創業した企業はやがて成長過程に入っていく訳ですが、多くの企業がその過程で脱落してしまいます。会社の歯車が狂いだすと、見る見るうちに売上が低下し、資金が底をついてしまいます。その様な状況に至っても、創業者というものは、前に進むことばかりを考えてしまうものです。


この時の創業者の心理として、会社が頓挫することへの恐怖心から、冷静さを欠いてしまいます。自らのビジネスモデルの問題点がどこにあるのかを俯瞰して、大胆に手を打つことが求められますが、多くがそれが出来ません。信頼できる参謀がいれば良いのですが、その様な参謀人財はなかなか存在するものでもありません。


多くの企業は何ら手を打てずに時間ばかりが経過し身動きが取れなくなってしまいます。経営者は事業を止めるという苦しい判断をしなければならない局面もあります。なかなかその様な発想には立てるものではありませんが、資金が枯渇してからでは幕引きも出来なくなります。最後も、自分の意思に委ねられる、経営者とはその様な存在です。


今日もありがとうございます!
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