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電力会社の新規事業!

皆さん、おはようございます!
成功する新規事業を見ていますと、各々に共通点があるように思います。私たちユーザーが今まで世の中の常識(=固定観念)と考えていたことを覆す新規性があり、それが新たな常識として私たちの中に受け入れられていくものだと思います。



東京電力と関西電力は、各々、新たな事業の可能性を模索している様です。東京電力は、スマホバッテリーを街中でシェアするサービスをはじめます。関西電力は、電柱に検知レーダーを設置して歩行者の動きを車に送信する実験に乗り出しています。電力需要が伸び悩む中で、各社とも新たな収益の柱が待たれるところだと思います。


東京電力は、スマートフォンの充電用モバイルバッテリーを駅や飲食店で貸し出すシェアサービスを始め、2020年までに1万台の設置を目指しています。自動販売機の様な専用機器を設置し、利用者がメールアドレスを入力し、クレジットカードで決済すると借りることができ、借りた場所以外でも機器を返却することが出来るそうです。


また、関西電力はパナソニックやトヨタ自動車と組み、電柱に取り付けたレーダーで交差点に近付く歩行者の動きを検知し、車内のスマートフォンをを通じて注意を促がす仕組みの実用化を検討しています。将来の自動運転社会の実現に向けたインフラ整備として、電柱に新たな見張り塔としての役割を担わせることが期待されている様です。


東京電力のモバイルバッテリーシェアサービスは、今までなら一人一台買って持ち歩くのが常識であったものが、街角で気軽に借りることが出来るなら、そんなに便利なことはありません。ただし、スマホの電源が切れた時に直ぐに借りられるほど、貸出専用機器が街中に普及するか否かが鍵になりそうだと思います。


貸出料金が1回300円であることを考えますと、スマホのヘビーユーザーなどは、日々、バッテリーのお世話になっていることでしょうから、借りるよりも自分専用のバッテリーを携行した方が便利かもしれません。その意味では、シェアサービスを利用するのは、うっかりスマホの充電を忘れてしまった人などに限定されるかもしれません。


関西電力の電柱に新たな役割りを担わせる事業は、自動運転社会を実現して行くためにはクルマの自動運転化だけではなく、社会インフラの整備も不可欠だと思います。しかし、それを設置する場所が電柱である必要があるのか疑問が残ります。むしろ、街中を歩いていて電柱は邪魔な存在として電線の地中化が待たれる所かもしれません。


新規事業の成功例として、「俺のフレンチ」と「ウォークマン」を取り上げてみたいと思います。一般的にフランス料理はお店で席を予約して落ち着いた雰囲気の中でフルコースで食べるものという常識があると思います。ところが俺のフレンチは、一流の味のフランス料理を立席で気軽に食べるという今までの常識を覆す逆転の発想があります。


その結果、事業の仕組みとして、来店客の回転数を通常のフランス料理店に比べて3倍に増やすことができ、その分、提供する料理の価格を引き下げることに成功しています。
価格を引き下げられれば、来店客数が増えるという好循環をもたらします。しかも提供される料理は本格的なフランス料理であるところがポイントとなります。


ウォークマンについては、ソニーの創業者である井深大氏が出張の際に飛行機の中で、座席に付いている簡易的なイヤフォンで音楽を聞いて物足りなさを感じ、それまで音楽といえば自宅でオーディオで聞くものという常識を覆し、持ち歩きしながら本格的な音を楽しめる再生プレーヤーを思い付いたことに始まります。


会社に戻った井深氏は直ぐに開発に取り掛かりますが、それを聞いた開発陣からの反対が凄かったという逸話があります。エレクトロニクス技術との融合により、超軽量でコンパクトな製品が実現し、やがて私たちユーザーに受け入れられて行きます。iPhoneも
ウォークマンと同じ様な発想で開発されたものと思います。


「俺にのフレンチ」「ウォークマン」をみると、今までは常識では考えられなかったフランス料理の提供のあり方、生活の中での音楽の楽しみ方といった新たな常識をユーザーに目覚めさせていることが理解できると思います。しかも、ただ単に新たな価値観をユーザーに提供しているだけでなく、それを事業の仕組みとして成り立たせています。


その様に見ますと、果たして東京電力と関西電力の新規事業がその様な新たな価値観を提供しているのか否か、そして事業の仕組みとして成立させることが出来ているのかどうかが問われるのだと思います。果たしてモバイルバッテリーは買うものから借りるもの、電柱は電線以外に使われるものという新たな常識になっていくのでしょうか。


今日もありがとうございます!
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