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物流アライアンス!

皆さん、おはようございます!
物流業務で競合企業同士が協業する動きが広がっています。今まで企業ごとに体制を整えていましたが、互いの企業がシェアすることにより逼迫する業務と高まるコストを緩和させる効果があります。これもアライアンスと言えるでしょう。



セブンイレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンの3社は、店舗に商品を荷下ろしする駐車場を共同で借りる取り組みを始めています。都心部の駅前や繁華街に立地する店舗は全店舗の2~3割に上り、各社ともこれまで駐車場のない店舗については民間の駐車場を借りるなどしていたそうです。


2020年の東京五輪・パラリンピック期間中は交通渋滞緩和のため路上駐車できる場所がより制限され、駐車場の確保が難しくなると見ていることも背景にあります。今後、コンビニ3社に留まらず、他のコンビニやスーパー、ドラッグストアや外食店などにも参加を呼び掛ける意向です。


日本通運は2021年までに関東、関西、九州、富山の4ヶ所に共同物流センターを設け、外資を含む国内医薬品メーカー1/3の共同物流プラットフォームを構築する予定です。また、味の素やハウス食品など国内食品大手5社は、共同物流会社を設立して共同配送や伝票統一などに取り組みはじめています。


その他にも、キリンビールやアサヒビールなどビール大手4社は2017年9月より北海道で製品の共同輸送を始めています。其々の物流共同化の背景にあるのは、深刻なトラック運転手不足を契機とした物流コストの上昇懸念が挙げられますが、各社様々な取り組みにより物流コストを2~3割削減することが可能との見方が為されています。


冷静に考えれば、企業毎に物流体制を構築していた方が不思議な位ですが、それだけライバル企業との垣根が高かったことを物語っているものと思います。例えば、各家庭への宅配にしましても、クロネコヤマトや佐川急便が入れ替わり立ち替わり遣って来て、その都度不在通知を置いてくるのではコストも掛り無駄だと言わざるを得ません。


宅配の世界にこそ、共同配送を行っても良い様に思えます。荷物を届けてもらう各家庭からすれば、ヤマト運輸であろうが、佐川急便であろうが、日本郵便であろうが、拘りはありません。ピラミッド型階層構造を持つ縦割り社会において、少し視点を変えて横割りで物事を捉えてみることも良いでしょう。


その横割りで物事を捉える視点の中に、企業間の協業(=アライアンス=業務提携)の可能性が秘めていると思います。企業間の協業を突き詰めますと、それは企業間の共同の目標に対して各々が事業資源を持ち寄り、生産性と効率性を高めることにより得られる果実をシェアするという共有経済に他なりません。


物流業務を引き合いに出しましたが、トヨタ自動車とソフトバンクを中心としたMaaS(=モビリティ・アズ・ア・サービス)に向けた90社による連携や第一三共によるがん治療新薬開発・販売に関する英大手製薬会社との提携もそうですが、新しい事業創出の場面においても企業間のアライアンスは威力を発揮します。


一企業内で試行錯誤しながら事業を運営するにも限界があります。企業の垣根を越えて協働でアイディアを出したり、ノウハウを提供し合うことにより、企業の生産性や効率性を高めるばかりでなく、新たな事業創出など思いがけない力を発揮するものだと思います。
それは、同質性の強い企業内ではイノベーションが起きにくいことを意味しています。


やはり様々な文化的な背景や多種多様な考え方を持つ人々が交り合うことにより個々人の持つ知識(=暗黙の知識を含む)が融合され、新たなアイディアや知識といったものが生み出されるのだと思います。その為には、企業間の緩やかな連携であるアライアンスが最も効果を発揮するのでしょう。


M&Aの場合、企業という同一性の高い文化の中に他の企業を取り込むことになりますので、その取り込まれる側の個性をそのまま活かすことが出来れば良いのですが、組織論として一般的には買収企業に迎合させる力が働いてしまうものと思います。買収した企業の個性を活かしながら対等に融合して行く難しさがM&Aの難しさだと思います。


時代が移り変わり、企業もピラミッド型の階層組織からフラットなティール組織の様な運営体制に変わっていけば、M&Aの持つ意味もまた変わって行くことでしょう。
そこでは、そもそも働く人々と企業との関係が柔軟で人と人の個性を活かしながら繋がり合って行くことが目的とされるからです。


今日もありがとうございます!
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