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ポスト資本主義!

皆さん、おはようございます!
貨幣資本は、技術革新による工業化社会の進展と表裏一体の関係を為しながら、増殖の一途を遂げて来ました。時代とともに工業化社会が変容していきますと、独り歩きをはじめていた貨幣資本にも何らかの変化が起こらざる得なくなっているように思えます。



鎌倉に面白法人カヤックという株式を公開する会社があります。本拠地を置く鎌倉を「ぼくらのオフィス」と呼び、鎌倉で働く人たちが気軽に利用できる「まちの社員食堂」を開業したり、鎌倉で働く人が優先的に利用できる「まちの保育園」などを開業して、利用者がカヤックの株主となる好循環が生まれています。


本業は、ゲームアプリ、キャンペーンアプリ、ウエッブサイトなどのオリジナリティ溢れるコンテンツを世に送り出している会社ですが、ティール組織(=組織の目的を実現すべくメンバー全員で共鳴しながら行動する組織)、斬新なワークスタイルを導入する、これからの時代のあるべき企業像を地で行く会社だと思います。


鎌倉に拠点を置くベンチャー企業の経営者とともに地域団体を立ち上げて、地域コミュニティの活性化にジブンゴトとして取り組む場づくりなど、地域に根差した新しい経済活動のモデルづくりに取り組んでいます。また、日本で最初の禅寺である鎌倉の建長寺で株主総会を開き、株主と対話をすることで話題を呼んでいます。


「鎌倉資本主義を考える日」「企業が地域にできること」などユニークな議題で株主との対話を通して、地域の住民に株主になってもらう仲間づくりを行っています。株式を公開する会社でありながら、多くの地域住民を株主として擁する異色の存在です。事業活動を通して地域に還元するという意味において、地域のパブリック企業と言えるでしょう。


代表の柳沢氏は「地域資本」という概念を提唱して、人のつながりを「地域社会資本」、自然や文化を「地域環境資本」と位置付けています。貨幣資本のように金額で図ることは出来ませんが、無味乾燥な貨幣資本が工業化社会の終焉により行き場を失う中で、地域との相互作用を保ちながら持続的な成長を促がす一つのあり方だと思います。


かつて産業革命が社会に付加価値を生み出し、その恩恵が金融市場を介して世界に行き渡っています。しかし、経済や社会が成熟しますと成長が滞り、貨幣が自己増殖(=バブル)する動きをとりだし、やがて経済を収縮させて行くことは歴史が語るところです。
また、貨幣資本主義は富の格差問題を惹き起すことも知られたところです。


これまでの工業化社会における価値観は、効率や生産性、モノや組織が重視されて来ましたが、情報技術革新により到来している最適化社会(=オムロンSINIC理論)は、来るべき、精神的な豊かさ、心の満足、個人の生き方を重視する自律社会へとつながる狭間の中で、創造と破壊を繰り返していると言っても良いでしょう。


GDP(=国内総生産)成長率、株価、モノの値段など、あらゆるものが貨幣の尺度を通して測定できるようになり、貨幣的な豊かさを享受するようになっていますが、そのことは必ずしも精神的な豊かさを同時に満たしている訳ではありません。むしろ、それらの落差に私たちは驚嘆していると言えるのではないでしょうか。


貨幣とは、物々交換の世界において経済価値を貯蔵する機能を持たせるにより、実物経済を飛躍的に拡大させることに貢献しています。そして、貨幣もまた流通することにより資本市場を誕生させています。全ての経済事象について、貨幣を裏付けとした価値を持たせることにより発展してきたのが工業化社会であるということが出来ます。


しかし、その実物経済の停滞により、私たちが暮らす上で本当の意味での豊かさを問われはじめているのが現在の姿ではないかと思います。モノや貨幣を増やすだけでは満たされない心の揺らぎが、人と人とのつながりや、自然環境との相互作用の中で培ってきた私たちの文化の中に、精神的な拠り所を求めているのだと思います。


自律社会は、モノだけでなく人間の知識や感情、心の重要度が増し、自分がありたいと思う生き方について何の拘束も受けずに自らの価値基準で決め、自らそれを実現させ、生きる歓びを享受できる社会です。いままでの様に個人が組織のために帰属する時代ではなく、個人のために組織が存在する時代になると思います。


その様な社会においては、やはり貨幣資本と同時に人的資本、社会関係資本、地域関係資本といった貨幣では測ることのできない資本が重要になることが間違いない様に思えます。単に自己実現することに留まらず、自己を超越して社会の課題を解決して行こうとする中にこそ、新たな資本の意味が見い出されて来るものと思います。


今日もありがとうございます!
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