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ティール組織と社会の変化!

皆さん、おはようございます!
歴史を振り返りますと率直な感慨として、その時代を生きる人々が織り成す知的活動の結果として文明は着実に動いていることに驚きを隠せません。いまも情報技術革新を契機として時代が大きく動いていることは、5年後、10年後に明らかになるでしょう。



いまのピラミッド型階層組織は、アメリカ流のスケールの大きな物事の捉え方を起源としています。フロンティアを求めて、欧州から新大陸アメリカを目指した多くの移民者たちが、何もない広大な土地に社会を築き上げていくためには、スケールを追い求める発想が理に叶っていたと考えられます。


アメリカ建国の礎となった、大陸横断鉄道、オイルメジャー、鉄鋼産業、自動車産業など何れの産業もそのスケールの大きさには目を見張るものがあります。多くの異なる文化的な背景を持つ国民が、それらの産業を支えるためには業務を出来るだけ簡素にして標準化させることも必然に迫られたものでした。


その結果として、世界を牽引する力を持つ経済を繁栄させてきたことは歴史が物語っています。しかし、いま興きている情報技術革新は、世の中をスケールメリットからパーソナル化へと向かわせています。少品種大量生産という規模の経済から、多品種少量生産というカスタマイズ経済へと転換させ、規模の不経済が目立つ様になっています。


巨大化する事業を効率良く運営して行く必要から、企業は組織化を図り分業体制を敷いて来た歴史があります。イギリス産業革命が起きてからの工業化社会では、人間よりも機械が重要であり、機械を効率良く動かすことを前提として人間の仕事(=業務)が規定されて来たと言っても良いと思います。


組織の歯車として、個々の業務について目標設定が為され、管理が行われ、そして結果を評価されるという18世紀に生み出された組織運営の方法は、ホワイトカラーが増えた今日においても脈々と受け継がれています。その間、トップダウン式の組織運営方法からボトムアップ式の組織運営方法への転換などの議論もありましたが。


このピラミッド型階層組織というものは、一つの具体的な目標に向けて反復的に業務を繰り返して行く時には効果を発揮しますが、先行きが不透明で価値観が多様化するこれからの社会においては、規模の非効率へと繋がって行きます。そればかりか、日本の様に終身雇用制を採る企業では、先に行くほどポストが無くなるというジレンマに陥ります。


これに対してティール組織をお聞きになられたことがあるでしょうか。組織改革コンサルタントであるフレデリック・ラルー氏が提唱するティール組織とは、上下関係や目標管理がない、働き手一人ひとりが自らの考えと意思で働き、支え合う組織です。例えば自然の生態系が各々バラバラに司っていながら、全体として統一されているのに似ています。


その様な組織が実在するかと言うと、世界中に存在しはじめており高いパフォーマンスを出しているようです。日本にも電気設備機器メーカーの未来工業(岐阜県)やコピーライターの糸井重里氏が経営するほぼ日(東京都)などティール組織が増えつつあります。
社員一人一人に権限を与え、それを組織全体で支える経営です。


組織の規模が小さいから可能という訳ではなく、米巨大IT企業グーグルなども柔軟なフラットな組織であることが知られています。プロジェクトごとにリーダーや組織の形を自在に変える組織を持っています。そればかりか、毎日の決められた一定の業務時間を自らの創造的な活動に費やすことが求められています。


これからの時代、モノを効率良く大量に生産することから、多様化するモノの意味(=コト)という無形の価値を生み出すことが求められる中で、どう考えてもいままでのピラミッド型階層組織ではそれを現実のものとしていくことが難しい様に思えます。働き手一人ひとりが経営者の様に自らの考えと意思で個々を対処して行く必要があるでしょう。


情報化社会というものは、社会を個性化、多様化の方向へと向かわせます。個々人が自由に情報を得て、発信できる社会です。それによって自らのライフスタイルを重視するようになっています。一方、アナログな世界ではピラミッド型階層組織が情報伝達をするのに効率が良かったですが、情報技術が進展しますとその必要がなくなります。


歴史的な一時点の必要からピラミッド型階層組織を生み出し、長年それを活用して来ましたが、本来、企業組織というものは私たち個々人がより良く暮して行くために資するものだと思います。働き手の心理を起点に考えれば、誰しもが働きたいと思える会社像、創造力を発揮できる会社像が自ずと見い出せるのではないでしょうか。


今日もありがとうございます!
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