誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

新たな社会の枠組み!

皆さん、おはようございます!
戦後の日本の経済が目覚しい発展を遂げて来たことは疑いの余地もないと思います。
一心不乱にモノづくりに邁進し、その世界品質のモノづくり大国に各国が羨望の眼差しを向けたのも過去の話しとなったいま、私たちはどこへ向かっていくのでしょうか。



工業大国日本も、バブル経済崩壊を境にデフレ経済へと転換し、今もって失われた20年、30年と言われています。戦後のモノのない時代から、国策としてヒト、モノ、カネといった資源を産業に集中させる体制も過去のものとなっているはずです。しかし、未だその残影が私たち社会のDNAとして焼き付いているように見えます。


社会の工業化とともに興隆してきた資本の論理は、絶えず経済や企業が成長し続けることを要求するものであり、工業化のメカニズムと相俟って画一性、標準化、効率性といった行き過ぎた経済合理性を私たちに投げかけています。それは、縦割りとなった社会の枠組みを更に助長させ、私たち生活者の暮らしをいっそう息苦しく感じさせています。


これだけモノが満ち溢れた社会において、過去の延長上で将来を語ることに無理があると言わざるを得ないと思います。過去の成功体験を何も疑うことなく、いまもその枠組みを前提に将来を描こうにも、その時といまとでは環境も私たちの価値観も異なったものとなっています。新たな社会の枠組みが待たれる時ではないでしょうか。


今までの社会の枠組みは、企業主体の護送船団方式で生産力を高めることにより、結果として私たち生活者の物量的な豊かさを充足させるというものであったと思います。増え続ける労働力を生産に投入することにより、また日々の技術革新により生産性を高めることで、国民の所得やGDPを増やすという好循環をもたらしていました。


しかし、国内消費の中心を為していた団塊の世代が現役から引退し、これからの日本の人口が大きく減少して行くことが現実のものとなるなかで、いままでの社会の枠組みを維持して行くことは難しいと言わざるを得ません。また、情報化社会の進展にともない、私たちの価値観も大きく変わりつつあります。


大量生産大量消費型社会というものは、余りある労力、資源、資本をふんだんに投入し、文字通りマスを対象とした規模のメリットを追求するものであったと思います。ところが、その労力も資源も無尽蔵に存在するものではないことが明らかです。資本もかつての行き場と勢いを失ってしまい、超低金利という事態を招いています。


いまの様な産業体制が未来永劫続かないことは、誰の目で見ても明らかだと思います。戦後のモノのない時代ならともかく、既にモノが消費者に充足されていますし、戦後の反動で爆発的に増えた人口も、月日とともに年齢を重ねています。この二つの要因が重なり合って、日本の高度経済成長を実現して来たということが出来ます。


その時の成功体験がいまも冷めやらず、日本の国力であると過信しているところから意識を変えていかなければならないものと思います。むしろ、その間に築き上げてきた社会の枠組みが、これからの社会を描いて行くのに邪魔をしているのではと思う位です。社会の枠組みとは絶対的なものではなく、時代にあわせて変容させて行かねばなりません。


画一化、標準化、効率性、経済合理性が私たちの行動を規定する社会ですが、それは物量的な意味での豊かさを実現する為に編み出された考え方ですが、精神的な意味での豊かさを追い求める社会にとって、どの様な意味を持つのでしょうか。それはGDPという経済指標が必ずしも私たちの暮しの豊かさを表していないのと一緒です。


明るい兆しとしては、情報技術革新が私たち生活者個々人に多様性や個性といった価値観を醸成しはじめていることだと思います。日本人固有の集団意識の中にも多様性や個性といったものを認める考え方が芽生えつつあります。それは、マスを前提とした社会の枠組みをもパーソナルな社会へと変容させはじめています。


情報技術という新しい利器と私たちの価値観の変化が、ピラミッド型の階層社会を終焉の方向へと向かわせはじめているのではないでしょうか。いま存在する社会の枠組みの多くは欧米社会を模倣することにより定着して行ったものです。例えば、行き過ぎた資本の論理などもそうですが、本来、資本というものは実体経済に追従すべきものです。


世界中の国々が、様々な難題を抱える日本がどの様な歩みを進めるのかに注目しています。その際、もう模倣すべき先進諸国はありませんので、私たち自身で考え結論を出して行く必要があります。私たちが拠り所とすべきは、私たちも自然界の摂理の中で生かされている存在であり、決して自らの力量を過信し過ぎない驕りなき態度でしょう。


今日もありがとうございます!
http://crelife.co.jp



*お知らせ*
いままで綴ってきたブログをベースに、amazonから電子書籍として出版させて頂きました。ご覧いただけましたら幸いです。

「電車」で「サクッ!」M&A学習
「電車」で「サクッ!」M&A学習
2019-02-25
Kindle本
×

非ログインユーザーとして返信する