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中小事業者を生かす社会へ!

皆さん、おはようございます!
地域の経済を支える中小事業者は、単に事業の規模が小さいということだけではなく、地域の暮しに寄り添う形で自らの商品を提供するという意味で、これからの時代に主役となり得る生産消費者(=プロシューマー)に近い存在だと思います。



大手企業主体の社会のメカニズムが行き詰まりを見せている中で、これからの時代は地域に根付く中小事業者(=個人事業者を含む)が産業社会の主役へと躍り出るような気がしてなりません。いままでの時代は、物質経済であったためスケールメリットを追求することが単位あたりの生産性を高め、社会の富を生むと信じられてきました。


そこでの中小事業者は、大手企業を中心とするバリューチェーン(=商品が製造から消費者の手に届くまでの価値の連鎖)の中に組み込まれて来た歴史を持ちます。ところが情報技術革新により、物量的な規模が意味を為さなくなり、物質的な意味性が問われる様になりますと、必ずしも大手企業を中心とした枠組みが効率的とは言えなくなります。


これからの時代は、大手企業が得意としてきた標準化された画一的な商品を大量に提供する仕組みでは消費者が満足せず、もっとフェースツーフェースの多様な消費者のニーズに一つずつ応えていくことが不可欠となります。確かに大手企業であっても情報技術を駆使すればカスタマイズ生産を実現することが出来るかもしれませんが限界があります。


小回りの利く中小事業者であれば、お客様に木目細かく対応するのみだけではなく、商品提供者とお客様が直接遣り取りをすることにより顔の見えるコミュニケーションを実現することができます。お客様にとって、自分ならではの商品、自分ならではのお店は何よりも安心感と満足感を得ることが出来るものと思います。


この様な消費者と生産者(=供給者)が表裏一体となった、目線の高さが同じ位置の関係がこれからの時代に望まれるものと思います。究極的には、ある時には生産者であり、ある時には消費者である関係です。これも、暮し(=人)と仕事が密着すればするほど、生産消費者(=プロシューマー)という概念が現実味を帯びて来ます。


そんな時代の変革期にあって、経済の狭間にある中小事業者の元気が損なわれている現状にも目を向ける必要があります。いまだ今までの大手企業を中心とする社会の枠組みの中に存在する中小事業者たちも、これからの時代に向けて自律的に自らのビジネスモデルを変えて行く必要があります。その時に大切なのが、最大の資源である人財でしょう。


中小事業者の最大の課題は、その多くが高齢で引退の時期に差し掛かっていることです。また、全国245万人の中小事業者のうち半分の約127万人が後継者が決まっておらず、事業を引き継げずに廃業に追い込まれている事業者が増えていることにあります。その様な状況の中で、現状の事業を新たな形に変革していくことが望むべくもありません。


この様な状況の中で、早くからオリックス、あおぞら銀行が後継者のいない中小事業の買収を手掛けはじめています。また、政府も規制緩和の一環として地方銀行による企業への出資規制緩和の検討を始めており、事業承継先の受け皿として機能することが期待されています。これら企業が単に中小事業を買い取るに留まらず、事業変革をも望まれます。


持てる事業資源を充分に見極め、それを時代が大きく変革していく中で新たに生まれてくる社会の需要に対してどの様に応えて行くかを構想していく必要があります。その時に情報技術を取り込み活用して行くことが不可欠になると思います。その様なビジネスモデルの転換を果たす役割として、起業を目指す外部の人財に期待したいと考えます。


起業をしたいと考える人財の中には、全くのゼロから事業を起こすことは非常にハードルが高いと考え、諦めている方も多くいると思います。確かに何もない所から事業を軌道に乗せて行く為には、その人の持つ能力以上に運とか縁とかいうものが大きく左右します。
特にゼロから設備投資をして、それを売上に繋げて行くのは至難の業でしょう。


そうであれば、既に設備もお客様も存在する中小事業者の後継者として事業を引き継げば、ゼロから起業するよりも最初から安定した事業を行うことが出来ます。起業方法よりも、むしろどの様に事業を伸ばして行くかに専念する方がよほど社会的に貢献すると言えましょう。日本では少ないと言われている起業者の裾野を広げることにもなります。


これからの時代、大手企業は今までのような終身雇用を維持できなくなります。それを見越した若者たち、役職定年を迎えまだまだ長い人生を生きて行かなければならない中高年たちの中から、この中小事業承継型の起業者が増えてくるものと思います。それをマッチングする企業も増えていますが、必要なのはそれら起業者に対する相談相手でしょう。


今日もありがとうございます!
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