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ソニーの新規事業創出!

皆さん、おはようございます!
イノベーション。様々なところで使われる言葉であるが、いまという時代こそ、それが求められていることはないでしょう。社会イノベーション、企業イノベーション、製品イノベーションなど、あらゆるところで求められていると思います。



100年余り続いた工業化社会への道も踊り場を迎え、世界の経済も現状を維持することに精一杯となっています。そんな経済の停滞ムードが続く中で、タイミング良く情報技術革新が興り、新たな情報化社会が到来することに期待が寄せられている今日ではないでしょうか。情報技術により、また経済が成長軌道に乗ることが待望されています。


ただ思いますのは、一部の情報端末やソフトウエアという新商品の開発があっても、本当の意味での情報技術革新とは、技術そのものというよりも、いま既にあるモノやコトと融合することにより、新たな価値を見い出す事でしょう。全てがよりオートマチックになり、人に優しい人間本位の社会を目指して行くイノベーションだと思います。


あらゆるモノがインターネットにより繋がり、AIが機器類を自動で制御する様になっても、それは飽くまでも人間の活動をサポートする意味での自動化であり、人間が主役で居続けることは間違いないことです。その様な未来の社会がもたらす経済は、量的な成長ではなく、質的な充足を満たすことに主眼がおかれるものかもしれません。


来るべき社会を描いて行くのは、企業ばかりではなく、私たち生活者もその役割りを担う必要があると思います。企業とは、一定の事業を効率良く円滑に運営していくことを目的にデザインされた擬制法人だということを忘れてはなりません。必ずしもいまの様なイノベーションを起こす為に相応し形態をとっている訳でないことも認識すべきでしょう。


企業に出来ることは、持ち得る事業資源を活用して、自らの目的に叶った事業を司って行くことかもしれません。その為に、その事業に必要なノウハウを留めておく枠組みとして企業という法人が存在する訳です。その様な仕組みにより完成された企業に過度のイノベーションを期待することに無理があるのかもしれません。


企業が自助努力でイノベーションを起こそうにも、完成した組織体制に新たな変革の眼を持たせようにも、既存事業に関わる日常業務を司りながら、それを情報という新たな技術でリプレースするにはコンフリクト(=葛藤)を惹き起してしまいます。それを避け円滑に進めるためには、外部の客観的な第三者と融合していくことが不可欠だと思います。


ソニーが新事業創出に苦戦しているそうです。独自に新事業を創出すべく、新規事業育成制度を5年前に立ち上げましたが、未だヒット商品が出ていません。社内だけで新事業を創出していくことに限界を悟ったソニーは、事業アイディアを外部から募るオープンイノベーションに本格的に取り組む計画です。


その第一弾として、2018年10月より協業先である京セラの担当者がソニーに常駐して、電圧をかけると振動する電子部品を活用した製品開発を進めています。また、幼児が言葉を覚えるのに役立つデジタル絵本を開発するスタートアップ企業ミツゴプロジェクトもソニーの専用スペースに入居し、事業化を進めています。


その他にも、スタートアップ企業であるBYDとオンラインでのキャリア学習の事業化や東京大学との学生のアイディア事業化支援などに取り組んでいます。何れを見ても、メーカーとして新製品をプロダクトアウト(=企業が開発・生産した製品を販売促進の強化によって、消費者へ売り込む技術先行型の事業スタイル)であることが否めません。


ソニーが全く手掛けていない斬新な新事業の創出も必要ですが、既にある製品を簡素化してIoT(=全ての製品がインターネットで繋がる)化していくなど、情報技術との融合も必要ではないかと思います。パナソニックのようにハードウエア作りを止めてしまい、ソフトウエアとネットワークのアップデートを提供する斬新な発想も必要でしょう。


人間の持つイノベーション力は、長年築き上げ極めてきた一定の専門領域の周辺事象の中に存在するものだと思います。一つの分野を極めると、頭に知識を蓄えることを超越した、身体と一体化した職人芸的な閃きや、独創的なアイディアが生じる様になるものです。世の中の変化に対しても、それを自分なりに解釈し新たな考えを生み出せます。


ソニーも自らが持つ事業資源を充分に見極め、社会が移り行くところを想定しながら、新たなフロンティアを事業領域として定めて行くべきでしょう。その上で、その領域内で出来る新事業創出を検討して行くべきだと思います。その時のキーワードが情報技術だと思います。企業組織といえども、それを司っているのは人間に他なりません。


今日もありがとうございます!
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