皆さん、おはようございます！
いま、どこの企業も新たな時代に向けたイノベーションとして、自社の製品に情報技術を融合させたサービスを提供すべく邁進していると思います。一方で、私たちが生活をする「街」というプラットフォームも進化させて行かなければならないでしょう。

わが国の空き家戸数が増加の一途を辿っています。
２０３３年には空き家戸数が１９５５万戸と２０１３年の２．４倍に拡大する見通しです。ここに商機を見い出し、空き家を有効活用する事業に乗り出すスタートアップ企業も現れはじめています。その小回りの利く機動性を武器として市場をつくりつつあります。

空き家が増加している背景として、少子高齢化と核家族化の問題があるのは勿論ですが、空き家になった後の家財道具の整理や賃貸にするにしても、また建物を解体して土地を売却するにも手間とお金が掛ります。なかなか相続人個々人の判断だけでは如何ともし難く、時間ばかりが経過してしまい建物が老朽化してしまう所ではないでしょうか。

物件ごとに事情が異なり、売却や賃貸といった流通に手間がかかる為、大手不動産会社もなかなか参入できない不動産となっています。その様な中、空き家の物件情報をまとめたデータベースを作成したり、売り手と買い手のマッチングサービスを行うスタートアップ企業が増えてきています。

空き家活用（＝東京都港区）は、独自に空き家情報をまとめたデータベース「ＡＫＩＤＡＳ（＝アキダス）」を作り、約３万件の物件情報を約７０の改修事業をはじめとする事業者に提供しています。改修事業者は、空き家を住宅や民泊用の建物として改修することを前提に、物件情報を不動産事業者に持ち込んでいる様です。

賃貸住宅の改修を手掛けるハプティック（東京都渋谷区）は、賃貸仲介サイトを運営するグッドルーム（東京都渋谷区）と連携して割安な価格で空き家物件を改修して入居者を募っています。改修工事を効率化し施工費を安く済ませ、工事期間中に入居者の募集を行っているところに両社が連携する強みがある様です。

アリーフロー（＝東京都新宿区）は、空き家の売り手と買い手を直接結び付ける掲示板サイト「家いちば」を立ち上げています。一般的な不動産情報サイトは不動産事業者が定型的な情報しか掲載できませんんが、「家いちば」では売り手と買い手が直接遣り取りを行えるようになっているところに差別化を見い出している様です。

空き家を対象とした新たな様々なビジネスが生まれて来ています。今までは、空き家自体が手間がかかるため不動産業者から敬遠されがちでしたが、これから少しずつ市場が拡大して行くことと思います。私たちが生活をしていく上でも中心市街地に空き家が増えて行っては、健全な街機能形成の観点からも好ましいとは言えません。

これからの時代、ネットコミュニケーションが益々進展して行きますと、リアルな場としてのコミュニティプラットフォームに対する需要も高まって来ると思います。また、働き方も大きく変化を遂げ、居住地域におけるサテライト型オフィスという新たな需要も高まって来ると考えられます。

その様な需要に対して、空き家を上手く活用していくべきだと考えます。大手不動産会社の様に規模の経済を追求する事業主体ですと空き家は非効率であり間尺に合わない為、小回りの利くスタートアップや地域に居住する住民が新たな事業を手掛けても良いと思います。それは消費者がサービスを提供するという意味で生産消費者と言えるでしょう。

情報化社会の進展により、木目細かく消費者のニーズに応える時代になりますと、今までのマスマーケットを対象とする大手企業ではそこまで手が届かなくなると思います。そこで必要になるのが、小回りの利く機動性のある事業主体なんだと思います。その様に考えますと小規模な事業者の方が経済合理性に叶っているということになります。

それが社会の要請であるとしたら、やはりこれからの時代は供給者と消費者が限りなく近接した生産消費者という個人事業者の役割りが益々高まって来ることになるでしょう。不動産有効活用のように、一物一価で標準化できない商品を扱う事業であれば尚更だと思います。個人事業者が民泊を運営する様にシェアオフィスを運営していも良いと思います。

空き家については、住宅地の家屋のみならず、立地の良い商業施設やオフィスビルなどでも増えていくことが予想されます。来るべき将来の姿を思い描き、それをどの様に活用して行くか、全体として均整のとれた街づくりを行っていく必要があります。街をリアルなプラットフォームとして捉え、利便性を高めて行かなければなりません。

今日もありがとうございます！
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