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経済活動におけるファイナンスの役割り!

皆さん、おはようございます!
コーポレートファイナンス(=企業財務)と言いますと、資金調達を連想すると思います。確かに財務活動の中で、企業を円滑に運営して行く為には、資金調達も欠かせない活動ですが、本来、企業が様々な経営判断を行うに必要な考え方を提供するものです。



ファイナンス活動には、財務と投資があります。財務とは、企業が事業を営むのに必要な様々な金融活動を指します。また、投資とは企業内に限定されずに、市中銀行、投資銀行、機関投資家などが行う金融活動全般を指し示します。いずれもお金を対象としている為、マネーゲームの様なイメージを持たれることが多いのではないでしょうか。


実際に、過去を振り返りますと、銀行員によるお客様のお金の使い込み、トレーダーによる巨額損失、企業を切り売りするハゲタカファンドなど、ダーティーなイメージを払しょくできない点があったことも否めません。また、最近の企業では、株価を意識するあまり経営活動が非常に短視眼的になっていることも気になる点となっています。


企業によって行われるM&Aなども、将来的な事業戦略を達成するためというよりも、当面の企業存続のために安易に行われている様に思えてなりません。ファイナンスとは、突き詰めますと資産の価値を評価する技術であり、様々な個人および法人が経済活動をしていくなかで必要な判断材料(=考え方)を提供する拠り所ということが出来ます。


オプション(=一定の期間内または一定の期日に、あらかじめ定めた価格で資産を買う権利あるいは売る権利を売買する取引)、ポートフォリオ(=異なるリターンとリスクを持ついくつかの資産の組み合わせて、全体のリスクを低減するために投資分散すること。)など、ファイナンス固有の理論を組み合わせリスクを制御して行くことにあります。


これらの理屈を金融経済の中だけで利益を上げる為に適用することを運用といいますが、お金でお金を儲ける無味乾燥な活動となってしまう点が、金融の世界で働いている人たちを胡散臭く見てしまうものだと思います。本来、ファイナンスは実物経済と表裏一体を為すものであり、実物経済の役に立ってこそその意義が認められるのでしょう。


最近の企業を見ていますと、企業の経済的価値を高めていくことばかりに気を獲られてしまい、これらの財務テクニックを使って株価を上げようとし過ぎていることが否めません。それは、株式を公開している企業であれば、絶えず資本市場より株価を監視されている様なものですので、止むを得ない点もありますが行き過ぎた資本の論理だと思います。


いまの日本の社会は、資本の論理に少しばかり振り回されている様に思えます。資本とは活用するものであり、それが目的であってはならないと思います。資本の目的化ですね。株式を公開している企業の多くが企業の経済的価値を高めることを目的としているような経営スタンスをとっている様な気がしてなりません。


本来、企業とは社会的価値を高めていく為に、社会の課題を事業を通して解決した結果として、従属的に経済的価値が高まっていくことが本来のあるべき姿だと思います。その際、事業活動を行っていく上での判断軸としてオプションやポートフォリオといった理論を適用して行くことが正しいファイナンスのあり方だと思います。


例えば、事業を遂行する為に必要な設備投資が複数あったとします。それぞれの投資のリスクの度合いを計数的に把握し、また将来期待し得るキャッシュフローから算出したリターン(=投資に対する報酬)を勘案して、どの様な投資を行うかを判断する際に、オプションやポートフォリオが有効な知見を与えてくれるものだと思います。


企業に投資を行う機関投資家も、目先の投資リターンばかりに目を奪われていないで、長期的な視点で投資を行う考え方が大切だと思います。特に情報技術革新により社会が大きく変わり行くときに、短期的な利益を求めていては事業活動を行う企業側も思いきったイノベーションへの投資が出来なくなってしまいます。


機関投資家は、預かった運用資産の運用成績を競い合う金融事業主体であるということが出来ます。結果としての運用成績ばかりを目的としていないで、どの様な対象に投資を図っていくかという考え方やプロセスも重視される時代だと思います。その意味では、もっと社会的に意義のある投資も必要になって来るでしょう。


お金とは、遣われるものではなく、生きた遣いかたをするものです。また、海外に目を向けてもお金に遣われてしまっている様に思えます。産業革命以降、この300年の間に実体経済の成長とともに興隆した資本市場です。確かに技術的な発展を遂げて来ましたが、これからの時代は、これを如何に遣いこなすかに腐心すべきなのでしょう。


今日もありがとうございます!
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