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70階建「木造」高層ビル!

皆さん、おはようございます!
昨日は寒さも緩み、天気も良く暖かい過ごし易い一日だったのではないでしょうか。
夜からの雨も上がり、今日も小春日和となりそうです。
三寒四温、そろそろ春が待ち遠しいですね。


住友林業が2041年までに日本初(世界初?)となる70階建ての「木造」高層ビルを丸の内に建設する構想を打ち上げました。住友林業といえば戸建住宅メーカーとして定評があり、会社名にも林業という名称を付けている通り、国内に46,444ヘクタール、国土の約1/900もの山林を所有しています。



国内で住宅用木材といいますと海外からの輸入木材を使用することが多いのですが、最近では国内で産出される木材を利用しようという動きが高まってきている様に思います。
その様な中で自社で山林を持ち戸建住宅を提供する住友林業は異色の存在とも言えるかもしれません。必ずしも必要な木材の全量を自社林で賄っている訳ではないようですが。


最近では大手建設会社の熊谷組と資本業務提携を結び、木材を使った中・大型建築事業に力を入れています。少子高齢化、人口減少などを背景に戸建住宅の需要が減少することが見込まれる中で、大型建築物需要を取り込み、木質系建築物に特色を持った建物メーカーとして特徴づけて行こうとするものだと思います。


東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムも隈研吾氏による木造建築物となる予定ですが、今までの大規模建築物のほぼ全量が鉄骨造やコンクリート造であったのに対して、木質の建物が増えることは、景観維持、環境配慮、人間との親和性の観点から望ましいことではないでしょうか。


最近、オフィス空間においても木の温もりを感じられる内装や什器備品を採り入れる会社が増えています。これは、木の持つ柔らかさが人間に与える影響が精神的に穏やかにする効果があり、仕事を進める上でも集中力が増し、頭の働きが活発となり、知的生産者にとってはとても効率が良くなると言われています。


確かにスチール製品で囲まれたオフィス空間と比べても、暖かさを感じるため精神的な鎮静作用があると思います。木で囲まれたオフィス空間の中でフリーアドレスのレイアウトになっていれば、来るべき時代の理想的なオフィス空間と言えるのではないでしょうか。
その様な空間の中で、理想的なコミュニケーションが図られて行くものと思います。


日本の国土の2/3が森林に覆われていますが、家庭内で使用されている家具の多くに輸入木材が利用されていることをご存知でしょうか。日々生活をしていますと余り意識をしないところかもしれません。国内では戦後植林した樹木の伐採期にあたるのですが、活用量が減少しており杉花粉が増えるという問題も引き起こしています。


なぜ国産木材の活用量が少ないかについて簡単に触れますと、戦後、それに続く高度経済成長期の爆発的に増えた住宅需要に対して、余りにもの急激に需要量が増えた為に供給量が追いつかず、海外からの木材輸入に頼ったことが日本の林業界の成長を阻み、いまでも輸入木材の流通が主流となっているからです。


また、日本の林業界は小規模事業者が多いことと、建設業者に製品が届くまでの流通経路が複雑であることも、木という天然資源を相手にする事業であることと相まって、製品としての標準化が遅れてしまったことも挙げられます。今でも日本の林業界は小規模事業者のままで、年々国内木材の需要量が減少し、廃業を余儀なくされている現実があります。


他の産業では、資本の論理で大量生産大量消費を唯一のビジネスモデルとして追求し、業界再編により中小事業者は合従連衡の道を進んできましたが、一次産業はそれが行われないできた唯一の産業と言っても良いかもしれません。むしろ保護政策により、それを温存する道を選んでしまったと言えるかもしれません。


例えば、小売業を見ると明らかですが、いまのスーパーマーケット業界は地域小売店チェーンの買収の結果、現在の姿がある訳ですし、コンビニエンスストアにしましても地域の酒屋さんや煙草屋さんの業態を転換してきた歴史があります。一方で、これからの時代、必ずしも規模の経済だけが唯一の存続の道ではなくなっています。


中小事業者でも、他の企業が造れない特徴ある製品を作ればグローバル経済の中で成功する例は枚挙にいとまがありません。また、情報化社会が必ずしも規模の経済を追求しなくとも中小企業が直接最終消費者と繋がることも可能な時代です。そこに一次産業の活路を見い出すヒントがある様に思えます。


今日もご覧いただきましてありがとうございます。
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