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ウィーワークの経営破綻!

皆さん、おはようございます!
ようやく秋も深まり、駆け足で冬が訪れる予感がします。暑い真夏日が10月頃まで続き、秋らしい優しい紅葉を見る機会が少なかったように感じます。それでも日々の季節の移り変わりを身体で受け止めながら、穏やかに仕事に取り組む充実した毎日を送ろうと思います。



米シェアオフィス大手のウィーワークが経営破綻しました。オフィス需要の低迷による資金繰りの悪化が金利高の加速により重くのしかかり、自力再建を断念せざるを得なくなっています。ウィーワークは、負債総額約1.5~7.5兆円を抱えて、日本の民事再生法に相当する連邦破産法第11条(=チャプター11)の適用を申請したことを明らかにしてます。


2023年6月期末時点で約2.2兆円の資産を保有する一方、負債は2.5兆円と債務超過に陥っていたことになります。同社は経営破綻にともないローンや社債を株式転換することで9割の債権者と合意しています。今後、債務を圧縮し再建を目指すことになります。破産法申請の影響を受ける事業は米国とカナダだけで、その他の国の事業には影響しません。


2019年のピークには7兆円の企業価値で不動産業界の新たな旗手として注目を集めていますが、直近は約70億まで時価総額が低下しています。新型コロナウイルスの感染拡大期を経て人々の出社勤務が激減し、オフィス需要が低迷しています。本業のシェアオフィスは利用者の解約に歯止めがかからず、手元資金が大きく流出したことが原因となっています。


今年の8月には今後の事業継続に「重大な疑義がある」と開示されていました。オフィス物件の所有者に支払う賃料抑制などコスト削減を急ピッチで進める再建策を練っている最中ですが、米長期金利の大幅な上昇で目算が狂い、5%という利払い負担が高まったことが破産法申請の引き金となってます。社債利払いの返済にも窮し、経営破綻に追い込まれてます。


ウィーワークには、孫正義社会長兼社長が率いるソフトバンクグループ(=SBG)が2017年以降に巨額出資をして周囲の注目を浴びた経緯があります。当時のカネ余り状況がウィーワークの企業価値を押し上げていたと見られています。その後の業績悪化懸念が顕在した段階でSBGから同社に人財を送り込み再建の道を探っていましたが閉ざされた形です。


孫正義氏は、ウィーワークに訪問してほれ込んでしまった。何度も忠告があったが、結果的に多額のお金をつぎ込んでしまったと述べています。ウィーワークには、SBG傘下のソフトバンク・ビジョン・ファンド(=SVF)を通じて5割弱を出資しています。ウィーワークの経営悪化にともなって7500億円もの関連損失を計上したことも記憶に新しいです。


今回の経営破綻は、SVFによる含み損の追加計上などSBGの業績に多大な影響を及ぼすことが想定されます。携帯通信会社が全く異業種の不動産業に手を出すことの危うさを感じてしまいます。きっとウィーワークの事業の本質を見違えたのでしょう。ITツールを活用した入居者のマッチングを通して、新たなビジネスを創出する目論見に目を奪われ過ぎた。


しかし、その実は巨大なオフィスビルを賃借して、それをビジネスマンにシェアするオフィス業であるということです。ビジネスマンが利用しなくなり賃料が入らなくなれば当然に資金繰りが行き詰まってしまいます。情報テクノロジーは飽くまでも人間がアナログで行うべきところをテクノロージーで置き換えることにより生産性が高まることに過ぎないのです。


今日もありがとうござます!
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