誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

J・フロントリテイリングの事業展開!

皆さん、おはようございます!
これからはコラボレーションが不可欠であることを実感しています。これまでは社会の仕組みが内向きでしたが、その効率化も極限に達しているからです。それよりも既に研ぎ澄まされているリソースを重ね合わせることにより、新しい付加価値を創出することが大切です。



百貨店業界は、インバウンド(=訪日観光客)や富裕層の消費を追い風に、今期に最高益を見込む企業もありますが、少子高齢化などにより市場の縮小は不可避であり、事業構造改革は待ったなしだと見られています。百貨店業態からの脱却を掲げてきたJ・フロントリテイリング(=Jフロント)は、最近、百貨店にもまだ出来ることがあると考えている様です。


それはコンテンツ発掘にあるとJフロントは公言しています。インバウンド消費は日本の文化を感じられる品物を買う機運が高まっており、京都での消費が伸びているそうです。だから百貨店に行けば面白い商品を売っていると、好奇心から集客できる強いコンテンツが大切なのでしょう。百貨店はただ売り場を提供するのみならず、新商品開発に傾注すべきです。


ラグジュアリーモールであるギンザシックスに訪れるお客様は、2022年に20~30代が過半数となり2017年の開業から売上高が最高となったそうです。同店舗は不動産賃貸収入が100%の新しいビジネスモデルです。消化仕入などの古い従来の百貨店ビジネスモデルでは、若年層を惹きつけられるコンテンツを持つテナント企業が入居しないそうです。


確かに消化仕入方式では従来型のアパレルメーカーしか出店しないのでしょう。売れ残り廃棄ロスを売上に加算して販売している訳ですから、当然に販売価格も高くなりますしサスティナブルではないですね。不動産賃貸型の新しい百貨店業態というのも面白く思います。出来ればテナント企業とコラボレーションして新しい商品を開発を仕掛けられたら尚更です。


これが同じショッピングセンターを出店するディベロッパーの発想では、新商品開発までは遣り切れないものと思います。そこにビジネスモデルとしての新規性があるのではないでしょうか。最近では少々元気がなくなってしまっているパルコがその様なビジネスモデルを志向してきた訳ですが、そのパルコが現在はJフロントの傘下にあるのもあながち頷けます。


だからか大丸心斎橋店は、ギンザシックスやパルコのビジネスモデルを採り入れ、仕入販売と賃貸収入のハイブリッド型にしてます。Jフロントは百貨店業態の新たな定義として多様なコンテンツを持つメディアとして位置付けています。不動産という店舗を媒体としたメディア化という考えは、小売業を営んできたからこそ出て来る発想かもしれないと思います。


その様な強烈なコンテンツを得るために外部のコンテンツや技術をM&Aなどで取り込み、新事業開発や知的財産によって収益化できる、とまで考えているといいますから恐れ入ります。また、3月にディベロッパー事業をパルコから独立させていますが、それは百貨店が立地する地域を一体開発することに狙いがあるようです。やはり不動産は永遠だと感じます。


このJフロントの新しい事業展開を見て、つくづくこれまでの固定観念に捉われずに、物事を斜めに構えて見ることの大切さを感じます。ディベロッパー出身の身として、現在のディベロッパーはもっと社会動向を見極めて、不動産をどう有効活用(=新業態開発)するかという視点が不足している様に思います。あらゆる産業は不動産の上で営まれているのです。


今日もありがとうござます!
https://crelife.co.jp

×

非ログインユーザーとして返信する