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山梨県が協調出資のVC公募!

皆さん、おはようございます!
相手の立場になって物事を考えるといっても、その人に成り代ってみなければ、真意までを理解することは難しいものです。第六感など感性の強弱は人によっても異なるでしょう。それでも、他人の内心を理解しようとする努力することは、相手にも伝わるものと思います。



山梨県がスタートアップ企業に直接出資する支援事業をはじめるそうです。県と強調して出資するベンチャーキャピタル(=VC)を10月末迄に公募・認定し、その後に出資先となるスタートアップ企業を募集する計画です。インキュベーション施設などを支援する都道府県は多いのですが、公募形式でスタートアップ企業に直接出資するのは珍しいと思います。


山梨県内経済に波及効果が大きい事業など審査を通ったスタートアップに対し、県が新株予約権を得るコンバーティブル・エクイティで最大2000万円を出資します。協調出資で連携するVCを10月24日まで公募し、条件を満たす複数社を10月末に認定するとしています。株式公開などで収益を得るVCにとって旨味のある募集であるかは疑問が残ります。


山梨県は認定したVCが投資し、出資を受けたいスタートアップ企業を10月末から12月1日まで公募する予定です。審査で採択したスタートアップ企業に対し、認定VCの投資額と同額の範囲内で1社あたり上限2000万円を出資します。2023年度は合計6000万円の予算を計上しているそうです。スタートアップ企業が県のお眼鏡に適うか如何です。


出資先のスタートアップ企業は、山梨県内で継続的に事業をするなどの条件を満たす必要があるそうです。出資後は販路開拓や県内企業との協業支援、実証実験のフィールドの提供などでスタートアップ企業の事業を後押しします。スタートアップ企業が成長して新株予約権が株式に転換されれば、県は保有する株式を早期にVCに売却するスキームを考えてます。


まずは公共事業としてスタートアップ企業への投資を捉える県側と飽くまでも営利目的のファンドであるVCという、各々立場が異なる二つの主体が相容れるのか疑問が付き纏います
。県側としては、スタートアップ企業に県内への経済波及効果をもたらすことが大義名分となるでしょう。しかし、その足枷がスタートアップ企業成長の制約となるかもしれません。


昨今、VCが出資したいスタートアップは、創業当初からグローバル市場を視野に入れる様な企業でしょう。確かに僅かですが、地域内でじっくり足腰を鍛えてから、グローバル市場に打って出る様なスタートアップ企業を想定できないこともありません。だから、新株予約権を株式に転換した後に、株式をVCに売却するスキームを考えているのかもしれません。


そうであるなら、山梨県はVCと連携するスキームではなく、独自に財源をファンドとして組成して、ハンズオン型の経営アドバイザーと組んだ方が、よほど県民に恩恵を及ぼせる理に適った自由度の高いスタートアップ企業の育成が出来るものと思います。財源は県民からの税金ですから、間接的ではありますが市民ファンドということが出来るものと思います。


それから、VC側もファンドを組成するのに際して、その資金を県内の企業や個人投資家から募るべきだと思います。地域経済活性化の本質は、ヒト・モノ・カネが域内で循環することですから。その意味では、山梨県が新株予約権の出口としてVCに新株を買い取って貰うことは、そのスタートアップ企業がいずれ県外に流出することを意味していると思います。


今日もありがとうござます!
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