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増える中小企業の倒産!

皆さん、おはようございます!
一段と秋めいてきました。猛暑の夏に外を飛び回っていた疲れなのか、留めに出張と出張の合間の週末に一族で新潟の寺泊まで旅行に行ったことが身体に負担がかかったのか、本を読んでいても活字が目に入ってくることなく、気が付けばうたた寝をしてしまう昨日でした。



政策で押さえこんできた企業倒産が急増しています。8月の中小企業の倒産件数は760件で、前年同月比の増加率は新型コロナウイルス感染拡大後で最大の54%となっています。
1~8月累計でも37%増えてます。実質無利子・無担保融資(=ゼロゼロ融資)や社会保険料納付猶予など資金繰り支援の特例が切れ、一転して重荷になっていることが理由です。


ゼロゼロ融資を利用した企業倒産は、元本返済が本格化した今年1~8月に440件で前年同期比8割増えてます。ゼロゼロ融資は当初3年間の利払いを免除し、元本返済も最長5年間先送りできる制度です。2020年5月より民間金融機関が取り扱いをはじめ、元本返済開始を利払いの免除期間と同じ3年に設定した企業が多く、今年7月からに集中してます。


7月より約5万社で返済が始まってます。ゼロゼロ融資は倒産抑制効果を発揮しましたが、中小企業にとり債務膨張という副作用をもたらすことが当初より懸念されてました。それがいよいよ現実のこととして顕在化しはじめた格好です。資本金1億円未満の中小企業の2022年度末長期借入金残高は157兆円にも上り、コロナ禍前より25兆円増えています。


これは中小企業全体の経常利益7年分に相当します。更に小規模な同1000万円未満の企業に限ると経常利益13年分に膨れ上がることになります。実態的にゼロゼロ融資を活用しているのは、この資本金1000万円未満の企業に限定されると言っても過言ではありません。また、経常利益を計上できる企業ではそもそもゼロゼロ融資を活用してないでしょう。


そもそも自転車操業で青色吐息の事業を行ってた中小企業にコロナ禍が直撃し、ゼロゼロ融資を活用して急場を凌いだ企業が大方を占めると思います。その時に事業再構築などビジネスモデル転換にゼロゼロ融資を活用した企業以外は、そもそも事業の内容が何も変わっていないことから、ゼロゼロ融資の返済開始が重荷になることは当初から想定されたことです。


それは事業主体である中小企業側に問題があるのは確かなのですが、ジャブジャブ無審査に近い形で融資を行った政策当局にも問題が無い訳ではありません。コロナ禍による業績悪化による倒産というツケを先延ばししただけで、ゼロゼロ融資実行時の条件としてビジネスモデルを転換させるという制約を付ければ、この様なことにはならなかったものと思います。


私の知る幾つかの中小企業でも、ゼロゼロ融資による泡銭を本業とは異なる目的に使用した所が多く、その本業以外の所でビジネスモデルの転換に結びついていれば良かったのですが
、ほとんどは本業の脚を引っ張ることになっておりコロナ禍前の事業よりも業績が悪化する悪循環に陥っています。ボタンを掛け違えたなら、まずはそれを掛け戻すしかありません。


直接ゼロゼロ融資の窓口となった金融機関にも大いに問題があります。金融機関同士で競うようにゼロゼロ融資残高を積み上げる行動に走った為、肝心な伴走者として中小企業の事業を再構築するという視点が欠如していたことも、今回の中小企業倒産増加という問題の一端を担っているということが出来るでしょう。経営者としての志の欠如を痛感する次第です。


今日もありがとうございます!
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