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ひとり出版社!

皆さん、おはようございます!
先行きが不透明な時代の歩み方は、やはりこれまでの延長では考えられないでしょう。それは精神的な部分とも多分に関係するのですが、過去の前例を踏襲する拠り所がある場合は余計なことを考える必要がなかったのですが、そのゴールを自分で定めなければなりません。



出版市場が縮小するなか、ひとり出版社などが台頭しているようです。従来の「売れる本」の常識に縛られない個性的本づくりで10万部単位のヒットを生み出すことも珍しくありません。紙の書籍・雑誌の販売額は10年で3割減っていますが、零細版元の本を扱う小型独立系書店と共に大手出版や取次店による全国一律の大量流通システムに風穴を開けてます。


一人または少人数で個性的な本を作る出版社が増えてます。中小出版社の情報発信を担う版元ドットコムは、会員社数が今年4月時点で507社と5年前の263社に比べほぼ倍増しているそうです。大手出版社では売れる本のフォーマットが決められておりマスマーケットを狙っていることから、その裏返しにニッチマーケットの個性的な本を犠牲にしています。


例えば個性的な本を出版する版元では刊行する本の数が年6~7点ほどであるのに対し、大手中堅出版社では編集者1人が年間10点もの本を手掛けるといいます。まるで本の大量生産という規模の経済や経済合理性の追求が大手中堅出版社にも浸透していることになります
。それに対して、重版率が大手中堅が1~2割なのに小規模出版社は7割と突出してます。


これは工業生産・流通とハンドメイド生産・流通の差として捉えることが出来るでしょう。
ハンドメイドの場合は編集者が一冊ずつ丁寧に本を作り込んでおり営業も熱意が籠るのに対し、大量生産型の本は機械的かつベルトコンベーヤーの様な匂いが鼻人つくのは気のせいでしょうか。紙の本の売れ行きが鈍る中でも年間7万点もの書籍が出版されているそうです。


その膨大な本の流通を支えてるのが出版社と書店をつなぐ取次店のシステムです。再販売価格維持制度と委託販売制度の一体運用が膨大な書籍の出版点数という弊害を招いてます。書店は本を仕入れると代金を支払いますが、売れなければ返品・返金が認められる慣行となってます。似た様な業界慣行を持つ業界としてアパレル産業を挙げることが出来るでしょう。


大手出版社から見れば利益を出す・資金繰りを廻して行く為に消費者の目に留り易いタイトルの刺激的な書籍を出版せざるを得ないという悪循環が続く訳です。また、返品される本が増えれば増えるほど物流倉庫のコストが増えるでしょう。廃棄したら廃棄したでそのコストを予め書籍の販売価格に転嫁させて置く必要があるという矛盾から抜け出せないでいます。


20年程前にM&Aアドバイザーとして出版社や書店業界を担当していたことがありますが
、その時の市場環境と何ら変わらず、むしろ業界として悪化の一途を辿っているという印象を持ちます。言論の自由ではありませんが、出版や書店という業界は他の基幹産業にに比べますと株式公開するところも少なく、同族経営で凝り固まっているという印象があります。


資本の論理により経営がガラス張りにされる訳でもなく、かと言って中途半端に規模の経済を追い求めた結果として、非常に中途半端な悪しき慣習が脈々と続いて来てしまったのでしょう。その様な中、他の産業でも言えることですが、本当に生活者が求める手塩をかけた商品を提供する手の温もりを感じる商品に出会うとホッとするのが現代社会の課題でしょう。


今日もありがとうございます!
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