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メガバンクの人的資本!

皆さん、おはようございます!
普通、財務諸表を見る時は左脳を活用するらしいです。しかも、左脳で財務諸表を見るといっても貸借対照表と損益計算書を見るのが精一杯だそうです。私は余り数字面を読み込まず斜め読みしてビジネスモデルをイメージしますので右脳を活用しているのかもしれません。



みずほ銀行が2024年春を目処に6年振りにウェブサイトを刷新するそうですが、そのデザインや使い勝手を託されたのが2021年に中途入社したばかりの方だと聞きます。その方は、15年前に日本マクドナルドでデジタルマーケティングの先駆けとなる「かざすクーポン」をヒットさせた人物で、北大理学部を中退後にリクルート他6社の経験があります。


更にみずほ銀行で用意されたポジションが住宅ローンや決済など非対面事業を統括するリテール部門の執行理事といいますから驚かされます。その方の経歴も凄いと思いますがそれを受け止めて要職に抜擢したみずほ銀行も、官僚的な保守性を堅持する銀行かと思いきや、よくぞ能力主義とはいえ一点に秀でる異才を発掘して採用したものだと思わざるを得ません。


銀行が求める人材は、メインバンク制と護送船団行政が特徴の高度経済成長期では、大企業幹部や大蔵官僚と出自が同じ東大生などの文系エリートだったと思います。各部署を経験させて銀行色に染め上げていくやり方では通用しなくなってきているのでしょう。より専門的な知識が銀行業務いも求められるようになり、純血主義は立ち行かなくなったのでしょう。


3メガバンクの2023年度採用計画では、全体の4割近くが中途採用となっているそうです。三菱UFJ銀行では、2023年度に専門人財の採用数が、初めて新卒総合職の数を上回る見込みのようです。優秀な人材を大量に抱える銀行は人財の宝庫と呼ばれてきましたが
、それを生かし切れていない現実があります。専門性を軽視した人材配置も限界でしょう。


話しは変わり、企業の成長可能性指標として人的資本が注目され、有価証券報告書の記載事項となっています。財務諸表のみで企業の価値を評価する危うさが認識され、評価する要素として知的財産や企業文化が注目されるとともに、これら無形資産を担う教育訓練費や幹部候補生の海外留学費など人財支出を企業価値を高める投資として捉えるようになってます。


実際に、この人的資本の開示は非財務情報といわれる財務情報を補足説明する資料として記載されることになります。しかし、いくら人財に掛ける投資が大きいからと言って、先の銀行における優秀な人材を生かし切れていない事例は多いものと思います。必要なことは人財の専門的な能力を見極めて、それを生かし切れない投資をしても意味ないということです。


企業が人的投資を行い、それが所期の目的通りの成果を得られないのであれば、その事実も有価証券報告書に記載して報告すべきではないでしょうか。開示の義務化で人的資本への取組は進んでいますが、次はその効果を評価する仕組みを考えるべきでしょう。それは減損会計のように投資金額に見合う利益を得られないのであれば、資産の再評価も必要でしょう。


これからの社会は労働者数が大きく減少して行きますので、企業側も必要とされる優秀な人材の意味も大きく移り変わるものと思います。本当の意味で企業に貢献する専門性の高い有能な人財をどこの企業も欲するでしょう。その様な雇用関係においては、プロ野球選手やアーティストの様に所属組織を移籍する時に契約金が支払われる様になるかもしれませんね。


今日もありがとうございます!
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