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ニデック「空飛ぶクルマ」市場参入!

皆さん、おはようございます!
財務とは会計数値を活用してビジネスモデルを計数で翻訳しながら、事業の構造的な課題を見出し、絶えずそれを改善しながら再構築していくプロセスだと理解してます。事業を構想し事業計画に落し込み、その事業のキャッシュポイントを把握することが両輪となります。



ニデック(=旧日本電産)が「空飛ぶクルマ」の部品事業に参入します。リージョナルジェット機最大手のエンブラエル(=ブラジル)と合弁会社を設立し、空飛ぶクルマ向けに電動モーターを開発・生産するそうです。2028年までに合弁会社を通じ約200億円を投資し、9月にも「ニデック・エアロスペース」を米ミズーリ州に設立する合意をしています。


電動化が進む航空機向けの部品を新たな事業の柱に育て、今後5年間に設備投資と研究開発に約200億円を投じ、メキシコにモーターの生産拠点を置く計画を持ちます。ニデックの高出力モーターと、エンブラエルのモーター制御技術を生かして、空飛ぶクルマメーカーにモーターと制御システムを提供し、7年後には1500億円の売上規模を見込むそうです。


第1弾として、空飛ぶクルマを開発するエンブラエルの子会社「イブ・ホールディングス」に供給します。イブ・ホールディングスは2026年に自社開発した機体の商用飛行を始める計画で、世界12ヶ国から2700台以上受注実績を持ち、ニデック・エアロスペースはイブの機体の大半にモーターを納め、他の空飛ぶクルマメーカーからも受注を目指します。


いよいよ空飛ぶクルマ市場が離陸し浮上するタイミングが来たようです。ニデックは、世界中の小型モーターから産業用超大型モーターまで生産する世界No.1のモーターメーカーといって良いでしょう。創業者である永守会長の経営手法は、時間を掛けて世界中のモーター事業を買収に次ぐ買収により事業拡大してきた積極果敢な敏腕経営者だと知られてます。


モーターに関わり続けて来たからこそ、電動自動車や空飛ぶクルマという新しい市場において重要なポジションを手中に収める好機に恵まれたということが出来るでしょう。これまでのガソリン車と機構が全く異なる電動自動車市場では、電動自動車そのものの開発生産することまで表明している位であり、これからのニデックの躍進が期待される所だと思います。


順風満帆に見えるニデックですが、永守会長は創業者らしい大胆さと同じくらいの慎重さを持ち合せているものと思います。それは、これまでの成長過程がM&Aを多用していることにあるからです。本来なら自前主義の発想によって、買収を行わずに新製品開発をしても良いのですが、そのプロセスのリスクを勘案してより安全な買収手法を選択したのでしょう。


今般のエンブラエルとの合弁事業化についても、もっと早く空飛ぶクルマのスタートアップと連携することも考えられたと思います。しかしながら、航空機メーカーとして信頼性あるエンブラエルを合弁先と選ぶあたり、より確実に技術と販路を獲得しようとする堅実性を感じます。ここでの成功体験をもとに欧州エアバス社との連携も視野に入れているでしょう。


新規事業をゼロからスクラッチで創っていくことは、どんなにリスクヘッジを図ったところでリスクを制御することは出来ません。例え上手く事業が立ち上がっても、当初3年間は赤字を覚悟する必要があり、開業5年程度で累損一掃出来たら素晴らしい事業だと思います。
それは財務上課せられるハードルというより、人間の営みとして不可欠な時間軸でしょう。


今日もありがとうございます!
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