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ある大手化学メーカー!

皆さん、おはようございます!
サラリーマン時代に自らのスペックが高いと上司から評価されることが多かったのですが、それは組織の仕事が細分化され部分最適となっているからでしょう。事業再生やM&Aなどのスキルを身に付けますと、広い視点で全体最適を目指さなければ出来ないからなのです。



会社にとって最も重要な課題を解決して一定の評価を得たものの、私にとってあまり良い印象が残っていない会社として大手化学メーカーがあります。なんと言いますか、業務中の社内の雰囲気がやたら静かで、お互いに牽制し合いながら内心ではほくそ笑んでいるカルチャーです。社内では表面的な付き合いばかりで、隙あれば直ぐに上げ足を取るイメージです。


きっと、社員の皆さんは仕事をしていても楽しくなかったのではないでしょうか。飛ぶ鳥を撃ち落とす位の優秀な学歴を手にしていながら、個々の仕事の成果は必ずしも高いとは言えません。しかしながら、皆さんそれぞれに非常に強いプライドを持っているので、そんな社風を醸し出してしまっているのでしょう。社員間の信頼関係なんて欠片もないと思います。


ビジネスとプライベートをやたらと分けたがるのは、自分がエリートだと思っているからでしょう。そんな一部上場の大手化学メーカーですが、一つだけ凄いと思う事がありました。それは、社内の業務が非常に標準化されており、マニュアルに従って各人の仕事が規定されていますので、仮にその歯車の一つが欠けても直ぐに補充が出来るということでしょうか。


ある意味では、組織内の個々の業務が自動化されていますので、誰がその業務に携わっても同じ結果がアウトプットされます。メーカーの組織とは正しくオートメーションなんだと、舌を巻いたほどです。しかし、逆にいえば仕事によって人財が育たないことでもあります。
イレギュラーな事が起きた時の対応力や判断力が全くないに等しい危機感を感じさせます。


それでも新入社員として入社して定年退職までその様な仕事をこなしていたら、他の会社の仕事のあり方が分からないのは当然であり、自分の能力が開発されないまま一生をその会社で過ごしているのは、可哀そうにすら思えて来ます。いまという時代に完全に逆行していると思います。業務を標準化して部分最適を求めるこれまでの大手企業の弊害だと思います。


その様な会社に大した学歴もなく、経営戦略部という周囲の憧れの部署に落下傘で降りるが如く、40歳手前で中途入社したものですから、社員の方々は動物園に新しく珍獣が遣って来たことで、好奇の目で見ていたことでしょう。しかも、それまで中途採用など行ったことのない会社ですから尚更のことであり、こちらも仕事をする以前にストレスが溜まります。


その様な会社だからかもしれませんが、仕事面では逆にそんなものなのかというイメージで
あっけにとられたものです。M&Aなどの交渉をするのに、組織として各部署のエースを投入して交渉テーブルに付かせようとするので、合議制の社内会議の様なもので話しが前に進まなくなります。それ以来、私一人が社内調整しながら交渉の前面に立つことにしました。


それでも、いやそれだからかもしれませんが、鬱積した数々の経営課題を解決しながら株価時価総額を3倍に高めることが出来たのは達成感とともに、安堵感があります。その様な会社の中でも一人だけ信頼できる役員がいらっしゃいました。その役員は、全てを客観的に俯瞰されていらしたようで、退任された後も何かと私に気に掛けて下さり有り難く思います。


今日もありがとうございます!
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