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大田区「仲間まわし」!

皆さん、おはようございます!
これからは各々の事業者が自らの強みを活かし手を携えるアライアンス(=事業提携)の時代だと思います。これまでは何でも自前主義で全ての事業資源を所有し商品を大量生産することが是とされてきましたが、これだけ移ろい易い市場環境の中では足枷にすらなります。



東京都大田区と大田区内の町工場は、2022年7月より電子機器類の共同受発注システムの運用を始めるそうです。受注内容に応じて一部工程を大田区内の他工場に依頼する「仲間まわし」と呼ばれる昔ながらの町工場が分業しながら一つの製品を製造していく手法をデジタル化し、依頼にかかる時間を現在より9割減らすことにより生産性を高める目論みです。


「仲間まわし」に参加する、より多くの町工場が受注情報を共有することにより、発注者に改良提案が必要な複雑な案件への対応力の底上げも図ることができる見通しです。新システムで発注者に対する提案力を町工場全体で高めることの見返りとして、提案の対価をしっかりと求めることにより、町工場としての付加価値を明確にして行くことも狙いとしてます。


新システムは大田区と大田区産業振興協会、大田区内の町工場でつくる合同会社I-OTA(=アイオータ)等が運用を行うとしています。インターネット上で展開される専用プラットフォームで大手企業や研究機関から発注を受け付け、注文内容を得意とする町工場が仕事を引き受けます。受発注の調整は大田区産業振興協会やアイオータが担うことになります。


「仲間まわし」は切削や研磨など得意分野が異なる町工場が工程を分担して製品をつくり上げる商習慣で、技術や生産量の面で1社では受注し難い案件でも受け易くなるというメリットがあります。現在は大手企業などから注文を受ける中核となる町工場から協力町工場に依頼する際に、直接出向いたり、電話やファックスが使われているのが実情となっています。


新システムでは、ネット上での情報共有に切り替えることで、これまでの試験運用では依頼にかかる時間を10分の1ほどに抑えることが出来るそうです。ファックスで受信した図面が読み取りにくく、内容を問い合わせる手間もなくなり連絡の効率化が図れるとしてます。
情報化社会において、未だアナログの方法で連絡を取り合っていたことに疑問が残ります。


但し、果たしてそれだけで大田区の町工場が再興するのでしょうか。大田区の町工場の事業主たちの多くは、後継者のいない高齢者が事業を営んでおり、インターネットの様な電子機器に馴染むのか。また、大手企業などから受注した製品をただパーツ毎に分業して製造し、それらパーツを寄せ集め、組み立てれば品質的にも優れた製品になるのか疑問が残ります。


精密機器類を製造していく為には、各々のパーツの組み合わせ(=噛みあわせ)を数度となく微調整を繰り返しながら、ようやく完成品に辿りつくものと思います。その為には、手間がかかるかもしれませんが各町工場が顔を突き合わせて、喧々諤々と調整をしていく必要があると思います。その様な手間の掛る業務に対し報酬を得ることは当り前のことでしょう。


製品を造るということは、その製品の品質をも担保することになります。ハブとなる町工場に発注先である町工場の生産管理まで目配せをする必要もあるでしょう。それから、技術的な側面ばかりでなく、原価管理といった効率性をも精緻に行わなければ、注文する大手企業のお眼鏡に叶う品質と原価を持つ製品を造ることが出来ないことは言うまでもありません。


今日もありがとうございます!
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