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CFOの役割!

皆さん、おはようございます!
マーケティングの世界に馴染みが薄いのですが、聞くところによると日本企業には欧米企業の様な本格的なマーケターが少ないようです。確かにマーケター上がりの社長という話しをあまり聞いたことがないように思います。商品の開発や販売には欠かせない存在でしょう。



企業にとっての命題は、今も将来も企業価値を上げ続けることでしょう。これまでなら定量的な意味での企業の「経済」価値を追求すること一本鎗でしたが、これからは企業の社会的な存在意義がより一層に問われますので、企業を取り巻く利害関係者に対するウエルビーングを追求することが、結果的に経済価値をも含めた真の企業価値を高めることになります。


ところが大手企業などを見ていますと、未だ財務数値を追い求めることだけが企業としての目的と化している様に見えるのは気のせいでしょうか。企業理念やパーパスといった魂が込められてない企業の財務数字ほど、どこか表面的で寒々とした印象を与えるものです。企業の経済価値を上げるだけなら、財務テクニックにより幾らでもそれを可能としてくれます。


そこは、やはり経営者であるCFO(=最高財務責任者)としての見識が問われるところであり、CFOだからといって企業の財務数字だけを見ていれば良いというものではありません。貸借対照表の資産サイドである事業からのキャッシュインフロー(=正味現金収入)を増やすにしても、ただ単に手っ取り早くM&Aを行えば良いというものではないでしょう。


20年余り前、まだ株価経営という概念もない時分に、私自身も大手企業の経営戦略部で財務戦略の責任者を務め、株価(≒企業価値)を最大化する命題を担っていたことがあります。いまでこそ外資系コンサルティング企業がこぞって株価経営のノウハウを売り物にしていますが、その当時は未だその様な標準化された手法はなく手探りで編み出したものです。


資産サイドに位置する諸事業全てをROIC(=投下資本利益率)と売上成長率でプロットしたPPM(=ポートフォリオマネジメント)を行い4つの象限に事業を整理しています。
普通なら成長性が見込めずキャッシュインフローの貢献度が少ない事業なら、直ちにM&Aにより売却資金化して再投資することが経営の教科書通りの一般的な考え方だと思います。


そして負債資本サイドの銀行借入金、劣後ローン、ならびに資本金の構成をどの様に考えるかということになると思います。財務レバレッジを効かせて銀行借入金の割合を資本金額と比べ相対的に増やし、加重平均資本資本コストを可能な限り低減させるのがセオリーとなります。その後、銀行借入の許容度にも限界がありますので劣後ローンをも検討すべきです。


この様な資本政策の考え方をトランシェといい、現在ではファンドビジネスで多用されていますが、当時は一般企業にこの様な考え方を用いるのは珍しかったのではないでしょうか。
それは飽くまでも財務テクニックであり、大切なことは資産サイドにある事業を事業再構築という視点で、M&Aやアライアンス手法を活用しながら付加価値を高めるかにあります。


どんなに疲弊した事業であっても、持てる事業資源を充分に見極めながら時代の求めに応じビジネスモデルに組み替えれば、事業を再構築できるものと思います。但し、その時に欠けていたのは事業理念やパーパスといった発想を持ち合わせていなかったことです。事業に魂を込めながら事業再構築し続けることが、これからのCFOの役割りとして欠かせません。


今日もありがとうございます!
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