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ANAの新ブランド!

皆さん、おはようございます!
M&Aの上手い経営者として日本電産会長の永守重信氏に注目しています。同氏によれば、これまでのM&A案件の勝率は67勝0敗とのことです。絶対に高値買いをしないこと、シナジー効果が期待できること、ポリシーに合わない会社には絶対に手を出さないそうです。



ANAホールディングス(=HD)は、アジアなど中距離路線への就航を予定する国際線の新ブランドをエアージャパン(=AirJapan)に決めたことを発表しています。2023年度の後半に運航を始める計画で、基本的な運賃は格安航空会社(=LCC)並みに抑え、新型コロナウイルス禍の収束後の観光需要の取り込みを目指していく構想を持ちます。


新しいブランドの航空会社は、LCCとANAなどフルサービスキャリア(FSC)の中間をいくサービスを提供することを企図している様で、FSCようなサービスもオプションとして提供するそうです。機内での手厚いサービスが不要な人にはサービスを簡素化して基本運賃をLCC並みに抑えるが、座席間隔の広さなど機内快適性を重視し差別化を図ります。


追加料金を払えば自由にサービスを付加して利用できるという意味では、世界でも新しいタイプのエアライン誕生というところでしょう。きっと一昨年、新たに就航したFSCであるJAL子会社ZIPAIR Tokyo(=ジップエア東京)が長距離路線を飛ぶLCCながらにして、質の高いサービスを売り物にしていることに対抗すべく検討したのでしょう。


エアージャパン自体は既に20年余り前より存在しており、ANAのアジア路線などで委託運航を手掛けているANA子会社です。ANAとは異なり自社養成でないパイロットを期間雇用するなど、運航コストを低減しています。海外のエアラインとの価格競争の厳しい路線について、高コストANAでは太刀打ち出来ないのでエアージャパンが受け持ってます。


面白いのは、エアージャパンは独自のAirJapanブランドの路線就航後も並行してANAブランドの委託運航事業も継続する計画であることから、客室乗務員はANAブランドとAirJapanブランドの両方を兼務する珍しいエアラインになることです。航空局の許認可に抵触しそうですが、基本はANAブランドをベースに簡素化するレベルでしょう。


ANAグループが新ブランドを立ち上げるのは、2013年に就航したLCCのバニラエア(=現在はピーチ・アビエーションに統合)以来のことであり、AirJapanを第三のブランドに育てる構想です。ホテル業界などでは、対象とする顧客層にあわせてブランド名を変え提供するサービス内容の差別化を図るのが一般的ですが、それと同じことでしょう。


コロナ禍で海外出張がテレワークに置き換わったことで、コロナ後はビジネス需要に比べて観光需要の方が早く回復することが見込まれるからでしょう。ANAブランドで観光需要を取り込もうとすると、ANAブランドがイメージダウンすることを危惧しているものと思います。JALグループのZIPAIRTokyoも同様の事情からのことだと思われます。


その様な理由からか新生エアージャパンは米ボーイング社製の中型機B787型機を使用し成田空港を拠点に観光需要の多いアジアやオセアニア方面に就航する見通しの様です。運輸業といえども航空事業は国際的にサービス合戦によるブランド化により育まれてきた歴史があります。創業70周年を迎え築き上げてきたブランド力を維持するための苦肉の策です。


今日もありがとうございます!
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