誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

インパクト投資!

皆さん、おはようございます!
M&A、事業再構築、創業支援などに携わり思いますのは、一見すると何れも全く異なる業務ですが、事業資源を見極めてどう新たなビジネスモデルを組み立てるかという意味では本質は同じです。大切なのは社会との関わりの中でどう事業を位置付けるかという視点です。



最近、投資ファンドのインパクト熱が高まっているように感じます。新生銀行やりそな銀行なども子会社の投資ファンドを通じて、インパクト投資ファンドを組成し力を入れてます。
インパクト投資とは「経済的利益とともに、測定可能で有益な社会的、環境的影響を生み出すことを目的として、企業、組織、およびファンドに対して行われる投資」を指してます。


インパクト投資の考え方は、社会的、環境的な問題を事業を通して解決させていこうとする投資家の信念と価値観によって、資本をそのような事業などに投下配分していくものです。インパクト投資の残高は日本で2020年に5126億円、世界では約82兆円に拡大しており、社会や環境にポジティブな影響を生み出す意図を持つ投資家の裾野が広がってます。


「はたらくFUND」は、一般財団法人社会変革推進財団(=SIIF)と新生企業投資の子会社である新生インパクト投資が共同運営するインパクト投資ファンドです。同ファンドは創業間もないスタートアップ企業である、治療用アプリ開発のCureApp(=キュア・アップ)に伴走し、医療格差是正など4つのインパクトを定義する支援を行ってます。


短期、中期の目標を設定しインパクトを出すまでの経路を明確にしています。当初、キュア・アップとしては、業績などの経営目標以外も設定しなければいけないのか、確信を持てなかったそうです。しかし、同社が取り組むインパクトをサイトで開示すると、別の投資家から投資したいとする反響があり、採用で感銘を受けたと応募する効果があったそうです。


はたらくFUNDは、利用者と投資家の両方の目線を持ちながら当事者意識をもって伴走することを投資哲学としているそうです。リアルテックホールディングスは、最先端の科学技術の研究開発などに従事するスタートアップ企業に投資する総額100億円のインパクト投資ファンドを立ち上げています。インパクト評価の為に三井住友信託銀行と連携してます。


両社が評価した案件の1つに視覚障害者向の歩行ナビゲーションシステムを開発するAshirase(=アシラセ)です。リアルテックからの出資を受けて三井住友信託銀行が助言を行い、2025年3月までに国内障害者の1%にあたる1.6万人の利用を目指す数値目標を設定しています。アセシラは事業課題を明確にすることが出来るメリットもあります。


インパクト投資は上場企業に対しても始まっています。りそなアセットマネジメントは公募投資信託「日本株式インパクト投資ファンド」を設定し、オイシックス・ラ・大地などに投資を行ってます。2021年12月末でのファンド総額は約5億円です。事業評価にコストが掛りますが、金融機関として未来の社会のために意思を持って行動すべきとしています。


この日本のインパクト投資の潮流は未だ緒に付いたばかりです。グローバル金融市場での広がりを見ますと、まだまだこれから広がりを見せるでしょう。事業を営む主体も、事業に資金を投下する主体も、これまでの財務業績一辺倒であった事業の捉え方から、社会の公器として事業を評価する考え方に変わりつつあります。全ては個々人の意思次第だと思います。


今日もありがとうございます!
https://crelife.co.jp

×

非ログインユーザーとして返信する