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東急と西武!

皆さん、おはようございます!
ドタバタ案件を片付けながら、ふと気が付けば暦は3月になっています。今年は昨年の2倍以上のスピードで月日が流れているような錯覚に陥ります。時にはゆっくりと自然でも満喫しながら英気を養わなければ、身体の内側にある声を呼び覚ますことも出来ないでしょう。



東の東急と西の西武と言えば、五島慶太と堤康二郎という二人のライバルの戦いであったと思います。それから時間を経た也の果てとして東急グループに軍配が上がっている様に見えるのは気のせいでしょうか。西武は厳密には電鉄グループと流通グループに分かれていますが、それはお家騒動の結果であり、私たちから見ればそれも含めて西武グループでしょう。


西武グループの基幹産業である鉄道事業と百貨店事業は、今般のコロナ禍の影響を受けているとはいえ財務内容が大きく疲弊しており、プリンスホテル不動産売却、そごう・西武百貨店のファンドへの売却などが取り沙汰されています。鉄道事業が傾き始めたのは、時の堤義明が経営する西武鉄道による、有価証券報告書への虚偽記載が発覚してきたからでしょう。


西武百貨店は、基幹子会社であった西洋環境開発というディベロッパーの経営破綻を契機に無理な事業展開がたたって西武百貨店自体もそうごうと経営統合せざるを得なくなった上でセブン&アイ・ホールディングスの傘下に入ることになった経緯があります。スーパーの西友はウオルマートの傘下に入ったかと思えば、放出されるという憂き目にあっています。


バブル経済時代には一世を風靡していた西武グループですが、感性経営で華々しく新しい事業展開を行っていましたが、理念ばかりが先行してしまい堅実に財務基盤を整えることが欠けていたのではないでしょうか。同グループの中にも無印良品やクレディセゾンのなどの様に、グループのしがらみに巻き込まれず独立独歩、事業を成長させている企業もあります。


一方の東急グループは、西武グループほどの華々しさはありませんでしたが、両グループともに同じ様な事業領域を展開しており、地道に事業を営んできたという印象があります。堅実に蓄えてきた財務基盤の強さを基軸として、いまになって戦略的に様々な新しい事業展開を図っているように見受けます。それも生活者の求めに応えようとする姿勢が見受けます。


例えば、鉄道事業と言えば沿線開発を行い不動産開発の観点から付加価値を上げることが一世代前のビジネスモデルであったと思いますが、いまでは沿線の世代交代を踏まえた再開発やもっと沿線で暮らす方々の利便性を向上するという観点からラストワンマイル宅配やスマートシティ化に向けたソフトウエアの充実に努め、ビジネスモデルの転換を図っています。


但し、東急グループの中でも東急不動産については、少しばかり毛並みが異なる様に見えます。遊休不動産の有効活用で始めた東急ハンズをカインズに売却することにする他、リゾート施設なども経営資源の選択と集中の中で売却を急ぎ、再生可能エネルギー事業に傾注しています。再生可能エネルギーは金融の様な事業であり株価経営を追求してる所以でしょう。


東急ハンズのコンセプトである「手作り感」を大切にする業態は、これからも根強い支持層がいると思います。それらに対して堅実に応えていく姿勢を忘れ、目先の業績で売却を決めてしまうところは些か短視眼的だと指摘せざるを得ません。もっと東急不動産としてのポリシーを明確にして行かなければ、先行きも現在の安泰な経営を続けられるか分かりません。


今日もありがとうございます!
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