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地銀ビジネスの本質!

皆さん、おはようございます!
欲しいもの何でも手にできる、なに不自由ない社会ですが、決してそれだけで満たされないのが人間の心理だと思います。人間として幸せに満ち溢れるのは、社会との関わりの中で行き着くべき自分の居場所を見い出し、そこに向けて歩みを一歩ずつ進めている時でしょう。



地方銀行が地域経済に不可欠な存在へ脱皮する切っ掛けになると期待される、銀行業務範囲を広げる改正銀行法が11月に施行されました。従来の銀行事業の枠を超え、お客様にとって役立つ新しいビジネスを創りだせるかどうかが地方銀行に問われています。超低金利が長引き、本業である融資は儲けが期待し難いと言われていますが、果たしてそうでしょうか。


一方、金融とIT(=情報技術)の融合によりフィンテック企業が台頭してきており、これまで銀行の牙城と思われてきた為替業務等への浸食が進んでいます。銀行が慌てて情報技術武装を図ろうにも、それらフィンテック企業とは土台ビジネスモデルや組織構造が異なるため、巨額の情報化投資のために地銀再編にまで発展している状況が短絡的にさえ見えます。


長らく銀行は経営の健全性を保つために業務の範囲を厳しく制限されてきましたが、改正銀行法では人材派遣、システム販売、コンサルティング、地域商社などを新たに認め、持株会社を新設してその傘下に各業務を営む事業会社をぶら下げる等して、業容を広げやすくしています。一見、本業との相乗効果が認められそうですが、どこまで遣り切れるのでしょう。


カネ余りに人口減少が重なり、地銀がこれまでのビジネスモデルのままでは立ちゆかなくなるのは明らかでしょう。その様な中で、合併や経営統合で規模を大きくして生産性を高めようとしても、現行のビジネスモデルのままでは、単に悪戯に規模を大きくするのみで、決して生産性が向上するどころか、むしろお客様離れが加速して行ってしまうように思えます。


確かに、銀行という看板にお客様は誰しも絶大な信頼を置いているものと思いますが、その実、日頃からお客様と接しているバンカーが本当にお客様の機微に触れて信頼を勝ち得ているのかどうか疑わしいものです。その為には、様々な事業を抱えるお客様に目線合わせ、ファイナンスのプロとして要望を察知しながら、適確にそのニーズに応えることが必要です。


その様なプロのバンカーというものは、銀行という組織の枠組みに迎合することなく、自律的に地域やお客様の置かれた実情をきちんと把握した上で、お客様にとって最良な方法を導き出すものです。その意味では、現在の銀行という過度にピラミッド型の縦割り階層組織が蔓延った官僚体制は、それらプロバンカーを排他的にしてしまう悪壁なのかもしれません。


今般の銀行法改正による、業容拡大を認めても、地方銀行の業績は上向かないでしょう。銀行にそれら事業の専門家がいないばかりか、例え外部から専門家を集めてきた所で、個々の事業に銀行本体と一体を為して通ずる経営哲学がなければ、形ばかりの砂上の楼閣となってしまうと思います。その辺が、地方銀行として変わり切れない弱さが浮き彫りとなります。


プロのバンカーであれば、それらの形式に捉われず、お客様にとって良いことであれば自分の人脈を通じて、自分の手に負えない専門業務を他者に依頼してでも役に立とうとするでしょう。融資をする際にも、自分の身銭を切って貸し付ける程の責任感とリスクをもって捉えるものです。その様な中からバンカーとしての目利き力が養われることを理解すべきです。


今日もありがとうございます!
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