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新生銀行のTOB条件付反対表明!

皆さん、おはようございます!
毎月固定的な収入を得ることに慣れ、それが当たり前と思ってはならないと考えます。例え、企業勤めであっても、自分の働きによる利益に見合った報酬を得る感覚が大切でしょう。分業化していますと、なかなか自分がどれ位の成果を上げたかが分かり難いものです。



新生銀行は、SBIホールディングス(=SBI)によるTOB(=株式公開買い付け)に条件付きで反対するとの表明を正式に行いました。SBIの買い付け株数に上限があることや買い取り価格が充分でないことを事由に株主共同の利益に資さないというのがその理由です。SBIがTOB条件を変更するなら賛同に回るとしていますが、如何なものでしょう。


これに対しSBIは条件変更に応じないことを示しており、これにより銀行界初の敵対的TOBに発展することになります。SBIのTOB条件とは、新生銀行株の48%を上限に1株2000円で取得し、子会社化するというものです。新生銀行は、残りの52%の株主との間で利益相反が生じ、当該株主の利益が毀損される懸念が拭い去れないというものです。


また、TOB価格について2025年3月期の純利益計画で548億円の業績見通しであることから1株2000円は安いとしています。SBIのTOB条件が現状のままなら、新生銀行は11月25日に開催を予定する臨時株主総会で買収防衛策の審議をすることを明らかにしています。条件付とは言いましても、新生銀行の表明は明らかに反対を意味してます。


これは飽くまでも新生銀行の株主から委嘱された経営陣の意思に過ぎす、SBIからのTOBの是非を判断するのは株主であることを忘れてはなりません。経営陣たりとも、保身の為に必要以上の買収防衛策を行うことにより、株主の利益を毀損することは許されません。その意味で、臨時株主総会を開催し株主に審議を問うのはあたり前のことと言えるでしょう。


新生銀行の経営陣は、SBIからのTOBを回避する為に、SBIに変わるホワイトナイト(=白馬の騎士)を探し連携関係を模索する姿勢も明らかにしていますが、現状は当然のことながら難航している様です。仮にその様なホワイトナイトが出現しても、銀行への出資比率が20%を超える場合、金融庁の認可を得る必要がありますので現実的ではありません。


また、新生銀行経営陣はSBIのTOB価格が妥当でないことを自身が描く事業計画をもって株主に説明して行かなければなりません。思惑としては、ホワイトナイトとの連携関係を踏まえたバラ色の事業計画を示したいところですが、それが出来ていない所に現経営陣のTOB条件付反対表明が軽んじられ、説得力に欠けると見做されてしまうものだと思います。


まずは新生銀行経営陣が企業価値を向上させる為の事業計画を示すべきです。現在のグループ利益の約7割を稼ぎ出すノンバンク事業における小口融資が金融機関にとって残された事業機会であるとしていますが、今後もノンバンクを買収することにより成長して行くなんて言っておらずに、もっと銀行としての骨のある具体的な将来ビジョンを示すべきでしょう。


折角、出身母体である日本長期信用銀行時代に培ってきたストラクチャードファイナンスなどのノウハウを今も持ち合せているのら、SBIが描き出す地銀連合の核となる銀行として再起を果たすのも国益に叶っている様に思います。地銀連合も全国各地の地方銀行が単に寄せ集まるだけではなく、相乗効果を発揮して地域経済の発展に尽くして頂きたいものです。


今日もありがとうございます!
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