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持たざる経営!

皆さん、おはようございます!
プロシューマーをご存知でしょうか。和訳で生産消費者を指しますが、今までの企業中心社会で乖離した生産者と消費者の距離が再び近づきつつあります。情報社会がそれを可能にしていますが、行き過ぎた分業化は人間が本来持つ知的生産の本能を疎外しているようです。



パナソニックの無形資産が、2022年3月末に初めて有形固定資産を上回るそうです。9月に米システム大手のブルーヨンダーを買収したことにより、のれんを含む無形資産が約9000億円増え、今期末には1兆円(=前期末は6020億円)を大きく上回るからです。
パナソニックによると、前期末で1兆616億円ある有形固定資産を無形資産が超えます。


今後もソフトウエア関連の無形資産の投資を増やす方針で、一層、持たざる経営を強めることになります。ブルーヨンダーは、7700億円で買収した製造業や流通業向けにサプライチェーン(=商品が消費者に届くまでの調達、製造、在庫管理、配送、販売、消費といった一連の流れのこと)を管理するソフトウエア開発を手掛けており無形資産が多い企業です。


米スターバックスなどを顧客に抱え継続課金型の収入(=サブスプリクション)が売上高の約7割を占めています。今後はパナソニックのカメラなどとセットで提供しサブスプリクション事業を拡大することを企図しています。一方、パナソニックは採算の合わない有形固定資産の削減を進めており、車載電池事業を持分法適用会社するなどオフバランスしてます。


今期中には太陽電池や液晶パネルの生産から撤退する方針で、期末には無形資産が有形資産を上回るのが確実です。今後は設備ではなく、知財や人財、M&A(=合併・買収)への投資を増やして行く考えです。これからの時代、モノを如何に消費するかよりも有効に活用することが重んじられることを考えれば、モノづくりよりもソフトウエアが重要になります。


その意味からも、本格的な情報化社会の幕開けであり、企業の財務内容が有形固定資産から無形資産にウエイトが移ることは、取り立てて驚くには値しないものと思います。ただし、企業財務の諸規定が、これまでのモノづくりを前提として発達してきていますので、無形資産を財務諸表に計上する規定が未整備であることが否めず、今後の進展が望まれる所です。


無形資産は、文字通り無形の技術やアイディアといったモノに依らず将来の収益に結びつく資産であることは言うに及びません。これまでの社会でしたら、モノをつくるための生産設備こそが企業にとっての糧であり、その生産設備を中軸において企業のマネジメントシステムが考案され拡充されてきたことは歴史が語っています。この100数十年の出来事です。


その最たるものが、ピラミッド型縦割階層組織でしょう。設備の生産効率を高めるためにそれを運用するために必要な人財までをも機械の歯車のように画一的で標準的な業務に切り分け全体最適化を目指してきた訳です。しかし、企業の収益の源が無形資産に移行し始めますと、人間に依存する技術やアイディアといった能力をいかに引き出すかが重要になります。


その為には、人間が持つ創造力を高めていくことが大切になりますので、人的資源というヒューマンリソースの効果を如何に発揮して行くかが問われることでしょう。それは、これまでの組織形態とは異なる新しい組織システムが必要になることを意味します。人間が一番創造力を発揮できるのは、自律的に自分のあるべき姿を追い求める所に鍵があるのでしょう。


今日もありがとうございます!
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