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オンデマンド・パブリッシング!

皆さん、おはようございます!
財務数値をバックボーンに事業を見通したりビジネスモデルを再構築することが得意なのですが、一つの事業分野に根をおろしている訳ではありません。縦割りとなった産業領域を超えて、横断的に事業を俯瞰することが持ち味です。その時の軸となるのが生活者目線です。



アマゾンジャパンが、個人が出版社などを通さずに漫画や小説などの紙の書籍を出版できるサービスを始めたと発表しています。私も利用したことのあるキンドルなどにおいては、出版コストゼロで電子書籍の出版が可能となっていましたが、個人である誰しもが気軽に紙の書籍を出版できることは、6世紀前グーテンベルク以来の歴史的事実ではないでしょうか。


情報社会の進展もここまで来たかという感慨深い現実です。これまでもインターネットを利用して、パソコンから自由自在に自分の考えや思いを綴り発信することが出来ていました。しかし、やはり書籍にはそれらを概念として凝縮したものとしての重みが異なると思います。やはり自分が共感する知識は、書籍として手元に置いておきたいと思うものでしょう。


グーテンベルクが活版印刷を発明した時も、それまで人間の英知を留めている原典を複写して普及させる為には手書きで書き写すしか手段がなく、自ずと知識としての情報を広めるには限界があった訳です。それが活版という方法で印刷することを見出し、安価で広く書籍を広めることが可能となり、その結果として人々の知識レベルが高まったと言われています。


現代は、巷に書籍が溢れかえるほど毎日のように新刊が発売されていますが、現実には一握りの著作者によるものであったり、一般の方が出版しようにも自費出版という方法しかなかったと思います。それは、これまでの出版事業というものが先に書籍を印刷して、全国各地の書店に配本するために、どうしても一定数量の在庫としての書籍を持たざるを得ません。


しかし、アマゾンジャパンの方法によれば、Web上で書籍を販売しますので、注文が入り次第、印刷を行って販売すれば良いので在庫は必要ありません。書籍という知識を化体した商品が更に安くなる、言い方を変えれば知識に対するコストが飛躍的に下がることを意味します。それは書籍を出版しようとする人々の裾野が飛躍的に広まることが想定されます。


無名の著者が広く人々の間に受け入れられ、表舞台に躍り出るという様なことが起きる可能性も高くなるでしょう。確かにキンドルという電子書籍でもそれは可能ですが、考えてみますと電子書籍を受け入れている消費者は一握りであることを忘れてはなりません。やはり書籍は、読み易さや手元に置きたい等の理由から、リアルな紙の書籍が受け入れられてます。


今般のアマゾンジャパンのサービス名は「Kindle ダイレクト・パブリッシング」と言います。著者には売上の6割を支払い、その中から紙の印刷費を差し引く仕組みとなっています。例えば110~828ページのモノクロならペーパーバック1冊あたり175円ほどの印刷費で済みます。書籍の価格は印刷費を必ず上回る金額で著者が決めるそうです。


考えてもみれば、どの様な書籍もジャンルによって似たり寄ったりの価格であったと思います。それは、これまでの出版事業が同じビジネスモデルであったからです。今後は書籍に価格破壊が起こるでしょう。また、出版社が必要なくなることにも留意が必要です。これまでの書籍流通がなくなる訳ではありませんが、ここにも生産消費者の世界が到来しています。


今日もありがとうございます!
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