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宅配ビジネス!

皆さん、おはようございます!
変化を生み出す思考法に、改善策を積み上げるフォアキャスティングと未来から逆算するバックキャスティングがあります。どちらかを選択するのではなく、両方の思考を持ち合せ使い分けていく必要があります。将来のあるべき姿を思い続けるとそれが実現するものです。



シェアリングビジネスの一つとして米ウ―バーが自家用車配車サービス、料理の宅配サービスであるウ―バーイーツを開始して、瞬く間に全世界に広がりを見せています。日本では法規制の関係で自家用車の配車サービスは認められていませんが、料理宅配サービスについては、ウ―バーイーツジャパンと出前館の競争が激化しており消耗戦の様相が強まってます。


出前館は2022年8月期の連結営業損益が500~550億円の赤字(=前期は179億円赤字)になることを発表しています。利用者の囲い込みに必要な販売促進費が膨らみ、前期の売上高290億円を超える水準となることが影響しています。新型コロナウイルス禍で急拡大した市場環境下で、ウ―バーなどとのシェア争奪に向けた投資を緩めない姿勢です。


2022年8月期の出前館の流通総額は前期から2倍の3300億円、1年以内に1回以上購入するアクティブユーザーは6割増の1200万人をそれぞれ見込んでいます。9月中旬には公募増資や親会社であるZホールディングス(=ZHD)への第三者割当増資などで約830億円の資金調達を計画しています。販促費の拡大や配達員の確保に充てる予定です。


積極的販促投資を続ける中、コスト圧迫も懸念されています。個人事業主への配達代行費が中心の売上原価である配達員の労務費は、売上によって変動する側面が大きく、売上高に占める割合は2020年9~11月の40%に対し、足元の2021年6~8月は60%まで高まっています。需要拡大で配達員の人手不足がコスト上昇を加速度的に押し上げてます。


9月のアプリ利用者数はウ―バーイーツが568万人、出前館は403万人と1年前から何れも200万人超の伸びで差は縮まっています。加盟店舗数はウ―バーイーツが13万店、出前館は8万店で激しく競い合っています。その様な中に、フィンランド発のウォルトやドイツ発のフードパンダが存在感を増し来ており、シェア争奪へ投資の手を緩められません。


これまではコロナ禍を背景に市場が急拡大してきましたが、アフターコロナ禍の社会でも市場として定着するのか将来の動向が見通せない部分もあります。ただし、料理の宅配に限らなければ、少子高齢化社会の中で個人宅への宅配ビジネスにおけるラストワンマイルを配達するシステムを安定化させることが、この宅配ビジネス競争を制することになるでしょう。


その為には、宅配する商品を厳選することも大切だと思います。現在は料理店の商品であれば、何でも言われるがままに配達していると思いますが、消費者からみてその商品の品質が粗悪であったなら二度と宅配を利用しないでしょう。その意味では宅配業者の配達員の態度が良好であることも必要だと思います。業界としてクオリティを上げる努力も不可欠です。


その点、出前館は2年後の黒字転換を目指してZHD傘下のLINEやアスクルとの連携を模索しているようです。LINEとの連携による集客およびポイント施策や、アスクルの洗濯や掃除用品など日用品の即日配達の実証実験をはじめているようです。それとともに配達エリア毎の需給バランスを予測する等、地域循環型経済の確立に資するのも良いでしょう。


今日もありがとうございます!
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