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なりわい住居「hocco(ホッコ)」!

皆さん、おはようございます!
これからの社会の動きを見通すとき、現在起きているエポックメイキングな社会事象を俯瞰して、それを人間の心理として捉えてみると理解しやすいと思います。個々人の心理は多種多様ですが、それが外的切っ掛けにより社会心理として一致した時に社会は動き出します。



小田急バスは、武蔵野市内にある路線バスの折り返し場の遊休地を有効活用した複合施設hoccoを開業しました。カフェや総菜、雑貨店などを運営できる店舗兼住宅、そしてシェアカ―やシェアサイクルなどを整えた新しい拠点を設けています。路線バスの折り返し場を開発するのは珍しいことかもしれません。バス会社としてなかなか粋な施設だと思います。


施設は、JR中央線の武蔵境駅から北西に車で10分ほどの、団地が建て替えられた民間分譲マンションなどが立ち並ぶ桜堤団地の一角に位置します。1525平方メートルの敷地に、延べ床面積53~59平方メートルの木造2階建ての賃貸の店舗兼住宅5戸、同賃貸住宅8戸を建設しており、施設完成までに掛った総投資額は約3億円とも言われています。


企画・運営は、知る人ぞ知る建築設計会社のブルースタジオが請け負っています。施設内にシェアカ―1台、シェアサイクルの駐輪場を5台分それぞれ配置しているそうです。11月初旬には惣菜店などの店舗が開業する予定となっており、キッチンカ―なども誘致して全体的にマルシェのような雰囲気を醸し出すことでしょう。これだけなら単なる商業施設です。


もともと、この桜堤団地の周辺には商店街や商業施設がなく、日用品の買い物は武蔵境駅にあるイトーヨーカ堂に行っているものと思います。公営団地が立ち並んでいた街区を小洒落た分譲マンションに建て替えており、閑静な住宅街という雰囲気を醸し出しています。その様な地域に商業店舗が出来てあたり前といえばあたり前なのですがコンセプトが面白い。


それをひも解く鍵として、店舗兼住居であることに留意が必要です。店舗を集積させるのであれば、店舗のみを配置しても良かった筈ですが、この施設で想定する入居者は、俗に言う標準化したチェーン店を運営するテナントとしてではなく、この地に居住しながら生業としてお店を開きたい人が対象となります。昔ながらの商店街をイメージしているのでしょう。


住宅街の中にカフェ、惣菜店、雑貨店を配し、そこを利用するであろう住民の方々の間で新しいコミュニティが生まれることを企図しています。商売と住民として両面を持ち合わせるこれからの新しい生産消費者(=プロシューマー)たちが、エリアの消費者目線で新しい商品やサービスを地域住民の意見を取り入れながら試行錯誤し創り出していくことでしょう。


いまの社会は、経済合理性を追求するがあまり、生産者と消費者の距離が隔たってしまい過ぎており、生産者が提供する商品に対して消費者は無機質に感ずるようになっています。やはり生産者の顔の見える温もりも商品を構成する大切な要件だと思います。商品のコト化が求められる様になっていますが、消費者とともに創り上げる商品は素晴らしいと思います。


そんな思いが込められ誕生したhoccoですが、武蔵野市にはJR中央線軌道ガード下にnonowa(=ののわ)という、やはり生業をビジネスにしようとする人たちが入居するシェア店舗があります。生産者と消費者の隔たりがないその空間に安心できるのは、人間としての基本的な本能だと思います。行き過ぎた社会に対する揺り戻しということでしょう。


今日もありがとうございます!
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