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MUFG!

皆さん、おはようございます!
人が抱く前向きなモチベーションこそ、社会を動かす原動力だと思います。人は誰しもより良く生きていきたいと思うものです。現代においては多くの人々が仕事を営んでいますのでそれを通して自己実現して行こうとするエネルギーを発揮できる場が必要なのでしょう。



三菱UFJファイナンシャル・グループ(=MUFG)は、傘下の米地銀MUFGユニオンバンクの個人・中小企業部門を米地銀大手のUSバンコープに売却することを発表しています。売却額は8800億円になるそうです。金利低下や店舗運営の負担増を踏まえ、米国事業の中核を担ってきた地銀事業の大半を売却することになります。些か違和感が残ります。


MUFGユニオンバンクの総資産額は約15兆円(=1330億ドル)で、その資産規模は全米で27位にも上ります。住宅ローンなど個人向けから中小、大手企業への融資まで手掛けており、西海岸を中心に約300店舗を構える堂々とした規模の銀行と言えるでしょう。
そもそもMUFGが同行を買収する時に、どの様な意図を持っていたのか疑問が残ります。


MUFGはMUFGユニオンバンク買収と同時期に、投資銀行モルガン・スタンレーへ出資を行っており、グローバル戦略の柱として据えていたはずです。今般、MUFGとしてはMUFGユニオンバンクを商業銀行に強いUSバンコープに売却した上で、USバンコープに少額出資した方が成長が見込めると判断してますが、経営権を手放すことに変わりません。


単なる投資目的でMUFGユニオンバンクに出資していたというのなら、USバンコープへの出資に切り替えて同行の成長を促し、高い出資利回りを期待するというのも理解できるのですが、大手企業向け事業はそのまま傘下に留めておくということは、どの様な金融会社としての判断なのでしょう。それはメガバンクとしての国内での経営方針から垣間見れます。


MUFGをはじめとするメガバンクは、金融のデジタル化が進む中で実店舗を運営して行くことが重荷になっており、店舗の統廃合を積極的に進めています。それと同時に銀行員の削減も急務となっています。MUFGとしては、その潮流の中で目標とする財務指標や株価を達成するため、国内における経営施策と同方針で海外事業についても判断したのでしょう。


その様に考えれば、店舗が不必要な大手法人顧客向け事業のみを残し、店舗での取り引きが中心となる個人や中小企業顧客向け事業を手放す意味が理解できます。銀行本来のビジネスモデルから新しいデジタル金融ビジネスへの変革を急いでいるのでしょう。それはフィンテック(=金融と情報技術の融合)という、まったく新しいビジネスモデルを意味してます。


それもこれからの金融ビジネスモデルとして否定するものではありませんが、社会の新陳代謝を考えますと、大手事業会社も未来永劫存続する訳ではなく、やはり中小・個人事業の中から将来の産業を担う新しい事業が生まれて来るものと思います。それらメガバンクでは効率の悪い顧客に対して資金を供給するライフラインをも維持して行かなければなりません。


その様な領域への資金を供給して行く為には、フィンテックでは限界がありますので、そこはやはりバンカーとしての人間臭い目利き力が生かされるものと思います。経済合理性のみを追求して経営を判断してしまうことは、必ずしも来るべき社会にとって望ましいことばかりではありません。今般のMUFGの経営方針の結果は10年後には明確になるでしょう。


今日もありがとうございます!
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