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あおぞら銀行の不良債権買取り!

皆さん、おはようございます!
盛夏のお盆期間を経て、まだまだ残暑厳しい天気が続くと思います。しかし、外に目を向け身体の感覚を研ぎ澄ませば、朝、夕の陽射しは幾分和らぎ、日の出時間も初夏に比べれば随分と遅くなっていることに気付かされます。まもなく、秋が駆け足でやって来るでしょう。



あおぞら銀行は、地域金融機関から不良債権を買い取り、対象企業の再建を支援する取り組みを拡大し始めています。新型コロナウイルスの影響で過剰債務を抱える企業が増え、金融機関の経営の重荷になりつつあることが背景にあります。すでに地域金融機関約200行と協議を始めており、2021年度の後半以降から債権売却が活発になると推測しています。


あおぞら銀行は、旧日本債券信用銀行時代の1999年に債権回収会社(=サービサー)を設立し、事業再生ビジネスに本格参入しています。これまで全国の地域金融機関との取引関係を生かし、地方銀行から債権を買い取ったり、受け皿となるファンドを地方銀行と共同で設立したりしています。縮小基調にある国内サービサー業界で大手の一角を占めています。


あおぞら銀行は金融機関が抱える不良債権額について、金融機関の事業規模によって二極化が起きていると受け止めているようです。地方銀行の上位行では、コロナ禍から回復基調にある企業からの融資返済が進む半面、地銀下位行や信用金庫などではコロナ禍の打撃を受けた企業への貸し出しが依然として増えています。金融機関の顧客規模の差によるものです。


地銀上位行は、比較的優良な財務体質を持つ中堅企業への貸し出しが多く、コロナ禍による緊急融資に際しても貸し出し先を厳選していたのに対して、地銀下位行や信用金庫などは中小個人事業者のようなコロナ禍の影響をまともに受けている小規模事業者が多く、今般の収まることを知らない緊急事態宣言の影響により、まだまだ赤字資金需要が旺盛だからです。


ここで2点ほど疑問が残ります。それはコロナ対応緊急融資により中小個人事業を支援するのはやむを得ない対策として、緊急融資時点から貸し出した赤字資金の返済目処が立たないと考えるのはあたり前のことだと思います。それなら、不良債権化が明らかな貸し出しを行いっぱなしにすることなく、事業再生と貸し出しをパッケージにすべきだったと思います。


不良債権化してからサービサーが金融機関から債権を買い取り事業再生を行うにしても、それでは遅きに逸しており、金融機関は債権買い取り段階で回収見込額と債権額との差額を損失処理する必要が出てきます。確かに、倒産しそうな事業者を支援して行くのが金融機関の役割ではありますが、たとえ債権に公的保証が付いているといっても痛手が大き過ぎます。


また、サービサーが不良債権を買い取った後に事業再生を行うといっても、それは俗にいう「リストラ」という人員削減や財務リストラであって、必ずしも事業の再構築を狙いとする事業再生とは異なることです。サービサーからすれば、金融機関から買い取った債権額以上の回収が事業再生当事会社から出来れば良い訳ですから、自ずと再生の意味が異なります。


今後、下位行を中心に不良債権処理ニーズが本格化し、暫く続くことでしょう。その時に、現在訪れている産業構造の転換期を捉えて、真の意味で中小個人事業の事業再構築を促していくべきです。中には、後継者のいない事業承継が必要な事業者もいると思います。新陳代謝の必要な企業もあると思いますが、必要なのは経営者が夢を描いているかだと思います。


今日もありがとうございます!
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