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破天荒な米航空事業!

皆さん、おはようございます!
人間というものは、自分の気持ちに素直なようで、意外と自己合理化を図り易いものかもしれません。目先の利益や安易な方向へと流されやすく、本来の持てる力を発揮せずに留まっている姿をよく見かけます。その様な時に、静かに自分自身に問い掛けることも必要です。



米ユナイテッド航空が、ボーイング「737MAX」を200機と、欧州エアバス「A321neo」を70機の合計270機の新型小型旅客機を今後数年で購入することを発表しています。ユナイテッド航空にとっても、1度に購入を決めた機体数としては過去最多という途轍もない計画だと思います。それだけでJALやANAが保有する機体数に匹敵します。


米航空事業の巨大さを見せつけられた様な気がしますが、確かに日本の国土とは異なり、あれだけ広大な北米国土を移動するには、飛行機がなければ経済が成り立たないほど、身近な存在なのかもしれません。これだけをとってみましても、日本と米国とでは経済力の大きさに明らかな差があるのでしょう。経済の話しは、また後日に譲ることにしたいと思います。


さて、ユナイテッド航空ですが、そんな強気の機材調達計画を打ち出して大丈夫なのでしょうか。新型コロナウイルスの影響で米国の航空需要は、日次比較で一時2019年比で96%減にまで壊滅的な減少をした経緯があります。最近でこそ、ワクチン接種が進み、米国内の観光需要を中心に、足元で同20%減の水準まで回復してきたと言われている様です。


ユナイテッド航空としては、リモートワークが進んだ法人と国際線の需要回復が鈍いにも拘わらず、間もなく法人の出張需要と国際線の需要は完全に回復すると強気の見方を示し、今般の大量の機体購入に踏み切るとしています。燃料効率の良い機種への切り替えを進めて2050年の温暖化ガス 排出実質ゼロの目標にも弾みをつけていく考え方も示しています。


新たに購入するのは、定員が200人前後の小型機で、発注済予約権と合わせると2024年にかけて500機超の新型中小型旅客機を購入することになります。米国発便の提供座席数を約30%増やす計算になります。多くの米大手航空会社は、今般のコロナ禍により米政府より資金拠出を受けており、かつ従業員の多くもレイオフを余儀なくされてきた筈です。


痛んだ財務内容を尻目に、垂直的に経営改善を図っていきたいとする、大胆で強気な考え方は、やはり米国的といえるのかもしれません。それに比べ、日本の航空会社であるJALなどを見ていますと、コロナ禍が収束に向かう状況が日米で異なるとはいえ、今後の事業戦略について慎重で、ビジネス需要の回復には時間を要し、観光需要に焦点をあてる考えです。


しかも、グループの格安航空会社(=LCC)3社を中心とした事業展開により、3社合計の売上高を2026年3月期に2020年3月期の2倍に引き上げることで収益改善に結び付けるとしています。最近では中国系LCCである春秋航空日本を買収したり、中長距離路線を手掛けるLCCジップエア・トーキョーを新たに設立するなどの動きを見せています。


日米両国の航空会社の市場の見方の違いは、ビジネスマンの法人需要回復の見方だと思います。事業計画をどの様なレンジで見るかによっても異なりますが、米国でもリモートワークが定着し、会社への出社解禁といっても週に3日程度の出社に留めている大手企業が多いなかで、やはり当面は観光需要に的を絞った舵取りをしていくことが妥当な様な気がします。


今日もありがとうございます!
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