誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

地方銀行の再編を考える!

皆さん、おはようございます!
昨晩、最近俄かに注目されているビジュアル思考のWebセミナーに参加してみました。一言でいうと個人の暗黙知を皆で共有し形式知化していく過程で、抽象的な言語でコミュニケーションするよりも、イラストや図表で意思疎通した方が理解を得やすいというものです。



地方銀行100行の8割が他行やIT(=情報技術)など異業種との提携を積極的に考えている様です。人口減少や低金利で経営環境が悪化し、システム共同化による経費削減やデジタルなどの新分野開拓を迫られていることが浮き彫りとなっている格好です。緩やかな協業は、将来の再編の芽にもなり得るとの見方も出来ます。実際にはどの様に進むのでしょう。


ことの真相は、菅義偉首相が昨秋の自民党総裁選で、地銀は将来的に数が多すぎるのではないかと言及したことにより、政府、日銀、識者の間で一気に経営統合による地銀再編の機運が高まった経緯があります。しかし、当事者である地方銀行の反応は8割近くが現時点では合併・統合による再編の必要性を感じておらず、検討していないという意識を持ってます。


再編ほどハードルの高くない業務提携には多くの地銀が意欲を示しており、これも8割を超えているそうです。千葉銀行など10行が参加するTSUBASAアライアンスは基幹系システムの共同化を進めています。島根銀行等7行はSBIホールディングスが出資し資産運用を支援しています。デジタル化など特定分野の提携を積極的に行う流れもあるようです。


ふくおかファイナンシャルグループの傘下企業に広島銀行など5行が出資し、EC(=電子商取引)で協業している事例もあります。北国銀行などはクラウド会計のfreee(=東京都品川区)と組み、取引先の中小企業の業務効率化を通して支援する例もあります。システム共同化、資産運用、EC、クラウド会計の取り込みが、地銀改革の柱となっています。


融資や証券運用で利ザヤを稼ぐ従来のビジネスモデルが成り立たなくなっており、生き残りには事業の構造を変革する経営戦略の機動的な見直しが必要になっているということが出来るでしょう。現状、地銀が取り組んでいる事業改革の柱からは、資産運用のアウトソーシングやECを除きどちらかといいますと業務の効率化に終始しているということが出来ます。


いま地方銀行に求められているのは、単に自行の業績を改善していくのに留まらず、地銀の経営目的である地域経済に活力を取り戻すことだと思います。その為には、もっと地域内の中小個人事業の中に入り込んで行かなければならないでしょう。その地域の経済を金融面から支える公益的事業主体として、自らが持つ経営理念をいま一度捉え直すことが必要です。


中小個人事業者の活力を引き出していくことが資金需要を高めていくことに繋がる訳ですがむしろ現状の地方銀行は事業者とともにリスクテークするというより、リスクヘッジに向けた業務標準化ばかりに目が行っている現実があります。その地域の特性を生かしながら、新しいビジネスを創出したり、事業拡大に向けた先行投資に応えていく必要があるでしょう。


その様な意味からは、地銀はもっと商社的なビジネスオーガナイズ機能を強化して行かなければならないと思います。その為には、合併や統合により業務を標準化していくというよりも、地域に根差し独自性を強化しながら、システム化など効率性を高める必要があるところは地銀同士が連携していけば良いのでホールディングカンパニー化が適しているでしょう。


今日もありがとうございます!
http://crelife.co.jp

×

非ログインユーザーとして返信する