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脱・年功序列!

皆さん、おはようございます!
普段、訪れることのない街に行ってみますと、その見慣れない新しい風景に気付かされることがあり、新鮮な気持ちになると思います。それは日々の生活の中で、常態化してしまっている自らの思考に、新しい視点が付け加わることであり、それが旅の醍醐味なのでしょう。



損害保険ジャパンは、年功序列型の慣行から脱却する新しい人事制度に改めることを公表しました。細分化され過ぎた役割等級制を見直し、等級ごとの在任年数の目安も撤廃しています。早くても40歳前後だった課長への昇進を10年ほど早め、仕組み上は20歳代での登用も可能となります。社員それぞれの希望や能力に応じた処遇を実現する制度に改めます。


年功序列などの日本型雇用慣行は、ピラミッド型階層組織と密接に結びついていたと言えます。データサイエンスなどの専門職や研究職では、スキルや能力に応じて処遇するジョブ型雇用(=仕事に対して人を割り当てる雇用形態)が少しずつ進んできていますが、大手企業が全社的に年功中心の仕組みにまで踏み込んで雇用慣行を見直す新しい試みだと思います。


金融業界は、IT(=情報技術)との融合など、大きな時代の変化に直面しており、実力のある若手の登用を迫られているという背景もあります。既に三井住友銀行でも、今年の1月より人事制度を改定し、最短30歳で管理職に就けるようにしています。ただし、それはピラミッド型階層組織における役割等級制度の見直しまでは踏み込んでいるとは言えません。


今回の損保ジャパンの取り組みは、5区分あった役割等級を簡素化して3区分に改めています。「特命課長」「業務課長」「副長」などの複数のポストを廃止し、社員約1万人の肩書を変更する抜本的な対策となる模様です。区分ごとに2~4年とされていた経験の目安も撤廃し、昇給に必要な手順を減らします。能力や実績に応じてスピード昇格を可能にします。


これまでの日本型雇用慣行は、新卒一括採用、そして年功序列と終身雇用による個人と会社とが運命共同体として「お家」制度をとることにより最大のパフォーマンスを上げてきたことは誰もが知ることだと思います。そこでの仕事のあり方はメンバーシップ型雇用(=人に対して仕事を割り当てる)であり、幅広い職種を体験させゼネラリストを養成しています。


それが高度経済成長による人材不足の辺りから中途採用が為されるようになり、バブル経済絶頂期には即戦力となる人財を中途採用により積極的に採用するようになっています。それでも会社経営の中核を担うのはプロパー社員と呼ばれる新卒一括採用された年功序列を這い上がってきた人々であったと思います。それから30年余りが経過し今日に至っています。


確かに経済が右肩上がりに伸びている時は、メンバーシップ型雇用の様な一定の秩序の下で家族主義と言われる風通しの良い環境の中で、社員が力を結集して一つの目標を追い求めることが、何よりも会社の成長を支える源泉となったに違いありません。しかし、いま会社に求められているのは、会社が向かうべき将来の目標をいかに設定して掲げていくかです。


時代の過渡期を迎え、不透明な将来に対し小気味良く会社の舵を切って行く為には、大きなピラミッド型階層組織で経営がトップダウンで判断していては、会社の行く先を見誤ってしまいます。社員個々人に権限を委譲して、各々が経営意識を持って判断して行く必要があるでしょう。その為には硬直的となった会社組織をフラットにしていく必要があるでしょう。


今日もありがとうございます!
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