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無形資産担保融資!

皆さん、おはようございます!
会社を創業して一定の成功を納めてきた多くの経営者は、そこに至るまでに数々の辛酸を舐めてきたと思います。その経験で染みついた人を中々信じず、いつも不信感を持ってしまう性はきっと直らないものと思います。それを超越してこそ経営の本質に迫れるのでしょう。



政府は、企業の技術や顧客基盤などの無形資産を事業の価値として評価し、担保にできる新制度の検討を打ち出しました。これまでの不動産担保や経営者の個人保証に偏重した日本の融資慣行を見直していくことが狙いです。これにより資産の乏しい中小企業やスタートアップ企業でも事業に将来性があれば、銀行から資金を調達し易くなることが期待されます。


今の制度では銀行が企業に融資する際に担保とするのは、土地や工場、建物、設備、機械といった有形資産が対象となっています。貸す側の銀行の立場からしますと、万一、事業が行き詰って返済が難しくなった時に、有形資産ですと抵当権を行使して売却することにより回収が図り易いことから、長年、日本の銀行借入に際しての慣行として色濃く残っています。


しかも、バブル崩壊後に土地神話が崩れ去って多くの銀行が担保不動産の価値が棄損し大きな痛手を被ったにも拘わらず、それから20年が経過した今も不動産信奉主義が残っていることに対して、些かの驚きすら感じます。また、IT会社に見るようにこれからの時代を背負って立つ企業は有形資産よりも無形資産が収益の源泉になっていることは明らかです。


その様な時代の変化にも拘わらず、銀行が未だに過去の慣習を踏襲しながら不動産担保や経営者の個人保証を貸付の条件としていることは、受難の時代である金融機関の首を自分で絞めているようなものだと思えます。もっと大胆に銀行としてのビジネスモデルを変革していかないと、これからの情報化社会の流れの中で金融機能を司ることが難しくなるでしょう。


リーマンショックの頃より、この不動産担保や経営者の個人保証を取らない様にして、融資対象である事業そのものを評価して貸付を行おうとする機運も見られていましたが、結局、個別性の強い事業を審査する目利き力も銀行職員の個人の能力により格差が出てしまうことから、一律横並び的な考えでなかなか緒に付かず今日に行ったっている現実もあります。


銀行員というものは、貸付審査などを通じて事業に関わることが多いことから、多くの人々から事業に精通しているものと思われがちです。その内実、銀行業務は個人の能力差が直ちにリスクとして跳ね返ってくることから、出来る限りの業務標準化が為されており、その様な環境の中で長年育った銀行員にバンカーとしての目利き力が醸成される訳もありません。


この辺が銀行ビジネスモデルの課題であり、このまま業務の標準化を追求していくのであれば、AI(=人工知能)により銀行業務の大部分が置き換えられても止むを得ないと考えられる点であると思います。その代わり、これから社会に多くの新規事業が創出されることになっても対応が出来ないばかりか、本当に企業から必要とされる貸付が出来ないでしょう。


銀行はリスクをヘッジするばかりでなく、顧客企業とともにリスクを取りに行かなければいけないと思います。どの様な事業でも収益を上げることの源泉はリスクに対する目利き力である筈です。今般の無形資産を担保に供しようとする考え方は、結局はそれをどの様に評価するかという目利き力に通ずるものでありハードルは高いですが、一歩前進だと思います。


今日もありがとうございます!
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