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ファンドが中小企業を支える!

皆さん、おはようございます!
ブランチを食べようと久しぶりに最寄りのロイヤルホストへ出向きました。他のファミレスがメニューを絞って低価格路線に走る中、ロイヤルホストは未だに豊富なメニューで一線を画しているようです。サービスの品質も高く、これはこれで勝ち組みなのかもしれません。



最近、足元ではコロナ禍により経営が苦しくなっている中小企業からの支援要請や、後継者不足に悩む中小企業に対して資金を投じるファンドが増えているように見受けます。国内投資ファンドのユニゾン・キャピタルは中堅企業に投資する800億円規模のファンドを設立します。既にファンド資金集めに着手しており、来年の6月に調達完了を目指しています。


ユニゾン・キャピタルにとって投資実績が豊富なヘルスケアや消費者関連、法人向けサービスなどを中心に、今後5年間で10社程度に投資を行う計画です。また、新ファンドでは大手ファンドでは初の取り組みとなる、中小病院への支援も拡大します。具体的には、今年の9月末に社会医療法人熊谷総合病院(=埼玉県熊谷市)への資金支援を既に決めています。


すでに投資をしている近隣病院と、救急治療やリハビリ施設など機能ごとに医療を分担するなど、ファンドビジネスを通じた病院連携の取り組みも加速させるようです。政府の「地域医療構想」を踏まえ、病床の機能分化と統廃合などの再編をファンドが経営支援を通じた、地域に合わせた医療体制づくりで経営を効率化して収益性を高めて行くことを目指します。


また、日本政策投資銀行はMBA(=経営学修士号)等を取得する起業意欲がある若者を中小企業に仲介するファンドをつくる様です。後継者難に悩む中小経営者が増えていることに対応する形で、経営人材として有望な若手に中小企業を買収する資金を提供するファンドです。「サーチファンド」と呼ぶ米国での事業承継の仕組みを日本で全国展開する計画です。


経営者を目指す個人に対して、複数の投資家が買収に必要な資金をサーチファンドに拠出します。既に日本政策投資銀行は日本M&Aセンターと、経営者を紹介するキャリアインキュベーション(=東京都千代田区)とファンドの運営会社を設立しています。11月迄に10億円の1号ファンドを組成し、小規模企業を対象とし数件の実績づくりを目指しています。


サーチファンドの仕組みを使った事業承継は、米国で300件以上の実績があり、近年は欧州やアジアにも広がっています。日本でも山口ファイナンシャルグループなどが2019年にファンドを立ち上げており、同社の営業地域内で案件を組成しています。銀行や投資ファンドによる事業承継や経営難に陥っている中小企業支援の枠組みが広がって来ています。


今まで投資ファンドと言えば、株式公開を目指すスタートアップ企業や会社再建を余儀なくされた企業に対してリスクをとって投資を行い、株式公開や収益性改善による転売により利益を享受する存在でした。どちらかと言えば、ファイナンス面から対象となる企業の価値を高めるべく、様々な施策を断行してきたという意味ではドライな印象が拭い去れません。


その投資ファンドが時代の流れを受け止め、持てる事業を目利きし、構造的に改編していくノウハウを中小企業の存続の為に活用して行こうとする試みは社会にとっても有意義だと思います。ただ、捉えどころの難しい中小企業の経営ノウハウを身につけるにはもう少し時間がかかるかもしれません。投資ファンドによる中小企業投資の流れは変わらないでしょう。


今日もありがとうございます!
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