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大戸屋とオイシックスの提携!

皆さん、おはようございます!
ビジネスモデルとは、「事業の価値を『安定的』『継続的』に提供していくための、新しい人間関係や法人関係のこと」をいいます。様々な見解があり定義が定まっていないビジネスモデルという言葉ですが、ようやく腑に落ちる定義に巡り合ったような気がします。



街中にある定食店「大戸屋」を手掛ける大戸屋ホールディングス(=HD)は、生鮮宅配のオイシックス・ラ・大地と業務提携をするそうです。食材と調味料がセットになった「ミールキット」を共同で開発し、オイシックスの通販サイトで販売することが狙いとしてあります。両社事業の弱みを互いに補完しあう、素晴らしい取り組みだと思います。


各店舗ごとに食材の仕込を行っている大戸屋は、セントラルキッチンにより効率的な経営への改革を提案する居酒屋チェーンのコロワイドから敵対的TOB(=株式公開買い付け)を受けていますが、今般のオイシックスとの業務提携を通した企業価値を高める取り組みにより、保有株式の約6割を占める個人投資家を引き留めたい考えを持っています。


大戸屋とオイシックスは、共同で開発した冷凍総菜、弁当、ミールキットを自宅に届けるサブスクリプション型サービスを立上げます。大戸屋が料理の製法や材料をオイシックスに提供し、製造や配送を委託する取り組みであり、大戸屋の店舗で提供する料理にオイシックスが扱っている食材を使うことも、今後、検討していく構想を持っているそうです。


オイシックスは、「Oisix」や「らでぃっしゅぼーや」といった通販サイトで有機野菜を販売し、既に30万人以上の会員を抱えています。コロナ禍の影響で宅配需要が伸びるなか、大戸屋はオイシックスの顧客基盤を商品の販路拡大に生かせると判断しており、両社の業務提携によりシナジー効果(=相互補完効果)を期待することも可能でしょう。


これだけ良い業務提携の構想が出来るのに、なぜ大戸屋はコロワイドから敵対的TOBを受けるまで、従来のビジネスモデルに固執して動けなかったのでしょう。大戸屋といえば、他のセントラルキッチンで標準化された味を届ける外食事業とは一線を画し、あくまでも家庭での手作りの味を提供する定食屋スタイルに拘り続けてきたからかもしれません。


ビジネスコンセプトは良いのですが、売上規模で年商100億円を超える程度で、必ずしも外食産業の中では中堅企業に留まっていたのは、コンセプトとはもろ刃の現実になりますが、各店舗で仕込までする製法に拘っていたからであり、その差別化要素が仇となり人手不足の外食産業の中で、思うように店舗数を増やせない中でのコロナ禍の影響でしょう。


その様な中で、販路を拡大していく為には、確かに提携によりコロナ禍の影響により伸びている宅配ビジネスという新しい活路を見出すことは、適宜に叶っているといえるでしょう。これからの外食産業は、店舗という足かせとなる拠点に拘っていてはだめで、自らが持つ製法という事業ドメインを活かして、どう収益を増やすかを考えるべきでしょう。


その意味では、出張ケータリングサービスというのもあるかもしれません。また、料理を作る為の製法(=レシピ)をWeb上で公開することにより、素材の販売に力を入れることも考えられるかもしれません。その為には、独自の多くのレシピを考案していく必要があり、そこに人財を投下して経営資源を集中してみても良いのではないかと思います。


今日もありがとうございます!
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