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セブン&アイの米コンビニ買収!

皆さん、おはようございます!
例年ですと8月のいま頃はお盆休みにより仕事が緩慢とするのですが、今年は暦の休日以外は、人と会うお約束ややるべき仕事でスケジュール帳に隙間もない状況です。文字どおりの「暑い夏」となりそうです。一つずつ丁寧に仕事をこなして行きたいと思います。



セブン&アイ・ホールディングスは、米石油精製企業マラソン・ペテロリアムのコンビニエンスストア併設ガソリンスタンド事業「スピードウェイ」を2.2兆円もの多大な金額で買収することを発表しています。その発表を受けて、東京株式市場では同グループの株が急落し、前日終値に比べて8%も下げ2013年4月以来の安値水準をつけています。


買収資金は借入などで調達する予定で、新株発行を伴う資金調達は予定されていません。
市場では、巨額買収に見合うだけの成果が得られるか不透明感が強く、またコンビニ併設ガソリンスタンドというビジネスがどれだけ成長できるか、いまの段階では見通し難いといった見方が為されています。一方のマラソン株は一時10%以上も上昇しています。


セブン&アイは国内コンビニ市場が飽和するなか、米国市場を成長の柱に据えています。傘下の米セブンイレブンは約9千店を展開し、米国首位の店舗数を誇っています。同3位で約4千店を抱えるスピードウェイの買収で、約5900店を擁する同2位のカナダのアリメンテーション・カウチタードを大きく引き離すことが出来ることが背景にあります。


スピードウェイ買収を巡っては、セブン&アイとマラソンが今春、独占交渉権に入ったもののマラソン社が買収額を釣り上げ、セブン&アイが断念した経緯があります。その時の買収価額は2兆45百億円であったそうです。歴史的原油安やコロナ禍の影響にともなう石油需要の縮小でマラソン社の業績が悪化したことが今回の買収決定の背景にあります。


それでも2.2兆円という買収価額は、スピードウェイの本業を稼ぐ力を示すEBITDA(=利払い・税引き・償却前利益、1606億円)の13.7倍にも達しています。伊藤忠商事によるファミリーマートの完全子会社化に際しての買収価額がEBITDAの約6倍であったことを勘案しますと、それが如何に多額の買収であるかが理解できます。


セブン&アイは、人口密集地に多くの店舗を持つ利点を、米国ではネットで注文した商品を近隣店舗で受け取る「ピックアップ方式」が増え続けていることに繋げていく意向です。買収後にコンビニを受け取り拠点とするためのデジタル投資を加速していくとしています。それと伴に顧客基盤共有や仕入共通化によるシナジー効果が期待できるそうです。


元来、コンビニエンスストアとは、地域の拠点施設としてお客様の利便性に応え、日夜そのサービスを変革していく存在です。同じセブンイレブンであっても、地域が異なれば当然に提供するサービスが異なって当たり前であり、米国という異文化圏においては増してのことだと思います。世界レベルの標準化店を目指しつつも木目細かい対応が必要です。


日本国内においてコンビニ市場が飽和していることが囁かれていますが、私はまだまだ個店レベルでお客様のニーズにお応えし切れていないものと受け止めています。それと同様に、米国文化を背景にどの様な進化系セブンイレブンを構築できるかに着目して行きたいと思います。市民に受け入れられる店舗を提供出来れば決して高くない買い物でしょう。


今日もありがとうございます!
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