誰にも聞けない経営財務戦略!

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中小企業伴走支援プラットフォームとして!

皆さん、おはようございます!
今年は少し地域金融機関との関係を強固なものにして行きたいと考えています。日増しに更なる効率を強いられる金融機関にとって、お客様とのリレーションシップの強化は諸刃ですが、そこを避けて通る訳には行かないでしょう。そんな金融機関との協調歩調を探りたい。



経済産業省は2021年からコロナ下で中小企業が新分野に進出したり、事業を転換したりすることを支援する事業再構築補助制度を始め、既に全国で延べ6万件が採択されてます。企業の事業再構築意欲は高く景気回復には補助制度の継続が必要とする見方がある一方で、充分な事業の戦略観や採算検証が欠ける中での補助金目当ての事業が足枷にもなり得ます。


2023年からはゼロゼロ融資の返済が始まる企業も増えることが想定されます。新事業の立ち上げや事業転換がうまくいかないまま、借入金の返済が迫られる中小企業が増えるものと思います。どうしてその様なミスマッチが起きるかといいますと、事業というものは机上の計画と資金があるだけで上手くいくものでなく、やはり事業を司る人的な側面が大きい。


よく事業に魂が入っているか否かという言い方をさせて頂きますが、事業再構築補助金に採択されている事業であっても、その多くは事業を担う経営者の志や意志などが事業に凝縮される程の思いはなく、あったらいいな、できたらいいな程度の内容であり、仮に補助金が採択されなければ行わない新しい事業立ち上げや事業転換であることが否めないと思います。


やはり日頃から、経営者として事業を生かして行く為に、これまで蓄積してきた他者よりも秀でた技術、ノウハウ、知見を見極めて、更にそれに磨きをかけながら、これまで化体してきたビジネスモデルをどう進化させるかということを考え続ける必要があります。新事業を立ち上げることも事業を転換させることも、その本質が同じであることの理解が必要です。


社会の動きを肌で感じながら、あまり先を考え過ぎても駄目で半歩先を行く位が丁度良いのです。良くビジネス書にレッドオーシャンは避け、ブルーオーシャンを狙うべきだと書かれていますが、別にレッドオーシャンであっても必要なことはニッチなお客様の声にどれだけ耳を傾け、それに応えていくことが大切でしょう。経営者とお客様が共感し合うことです。


それもこれも経営者に社会(=お客様の集合体)と向き合う勇気を持つことが必要なのであり、その為には経験を通して得てきた言葉にならない暗黙知のレベルまで自分自身の気持ちを高めることが大切であり、その上でその暗黙知を形式知化することも必要なのです。暗黙知は志や意志を意味し、それを他者に伝えていく為にビジョンや計画として可視化します。


こうやって綴ると簡単な様に思えるかもしれませんが、事業を行う上でこのプロセスほど難しいものはないと感じます。意図も容易く資金調達やM&Aを行っているように見えても、事業を行う上での本質を押さえていないと出来るものではありません。現在の様に、経営者の思いを汲みながらそれを言語化して行く過程は、どこまでも経営者と共感することです。


これからはヒューマンキャピタル(=人的資本)によるソフト面の力を引き出すかが事業の成長に大きく関わって来ると思います。経済産業省は2023年にも中小企業支援の新しい施策を打ち出してくる様です。最近のアグレッシブな動向に目を見張るものがありますが、それを形骸化させない為にも中小経営者と中小事業にどれだけ耳を傾けられるかでしょう。


今日もありがとうございます!
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方法としてのコーポレートファイナンス!

皆さん、おはようございます!
36年余り企業の財務を預る仕事に携わってきた立場として、これまでの企業財務や財務会計のあり方に意見することは非常に心苦しくもありますが、そろそろそれらの学問が目的として論理構成してきたことを見直して、社会をより良くしていく必要がある様に感じます。



これまでも、何度となくブログで取り上げさせて頂きましたが、現代社会の一番の弊害はお金としての「資本」を手段としてではなく目的化してしまっているところにあると考えており、その思いが強くこそなれ弱まることはありません。この地球上の人々が、交換および保存手段である資本そのものから幸福を感ずることはなく、飽くまでその使用価値からです。


資本を増やし続けたところで、それを使用して商品やサービスを購入することによって、初めて個人的に満足感を享受(=使用価値)できるものであるからです。使用価値とは、物が様々な人々のニーズを満たすことができる有用性を指します。資本蓄積した所で、それを費やしモノやコトの消費することが目的なら、余剰資本獲得を目的とするのは行き過ぎです。


なぜ現代社会の価値観の潮流が資本蓄積としての多寡に偏重し過ぎてしまっているかと言いますと、それは経済主体の一つである企業セクターの占める割合が質量的にも一番大きいため、それを前提とした社会の枠組みを創り上げてしまい、それが固定化してしまっているからでしょう。その企業セクターの価値思想の核心が広義のコーポレートファイナンスです。


コーポレートファイナンスとは、企業価値(≒株価時価総額)を最大化することを目的として、資金調達し、事業に投資し、調達元に利殖を持って資金の返済や還元をしていく活動のことです。また企業の財務活動のうち、事業に必要な資金を市場から調達する活動ということもあります。ここで株価時価総額最大化という目的自体に問題があると受け止めてます。


株価時価総額を毎年増やしていく為には、年々増える企業固有の資本コスト(=加重平均資本コスト=有利子負債コストと株主資本に課せられる株主から要求されるコストの加重平均
)を上回る利益を出していくことが必要になりますが、その利益が資本に組み入れられれば当然にその翌年以降の資本コストに跳ね返り、更に資本コストが高まることを意味します。


それは企業は存続する限り金銭的に成長し続けなければいけない矛盾を孕んでいます。コーポレートファイナンス理論上そうであっても、企業目的は株価時価総額を追求することではない筈です。バブル経済崩壊以前の日本企業でしたら、株主だけでないお客様、従業員、取引先といった企業を取り巻く多くの利害関係者にとっての利益追求が目的となってました。


それがこの20年余りの間に、上場企業がこぞって企業は株主の為だけにあるとする欧米流の価値観に染まってから社会が息苦しくなってます。グローバル市場の中で、日本だけが異なる価値観を主張した所で蚊帳の外に置かれるだけだったでしょう。しかし、その結果として、人間の幸福よりも金銭的多寡だけに価値を見出す社会の風潮は明らかに間違ってます。


このことは日本固有の問題でなく、世界的問題にまで高まりつつあると言えるでしょう。世界的に見て上場企業は、市場から融資や資本調達する必要がないほど資金余剰となっています。それにも拘わらず、その資本が社会幸福に資する使われ方が為されず、マネーゲームに費やされている現在の資本市場は明らかに可笑しく、行き過ぎた投機は何れ是正されます。


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事業再構築の意義!

皆さん、おはようございます!
今年初めての夕刊の1面に無人駅を有効活用した地域拠点創設の記事が目に飛び込び、興味を持って読み進めれば、取材を受けているのは大学院時代の学友ではないですか。当時は経営企画室で仕事をしてましたが、いまはスタートアップを司る企業の社長となっています。



事業再構築という言葉は、経済産業省が実施している「事業再構築補助金」が話題になったコロナ禍が始まった頃から、にわかに使われはじめています。その意味では、まだ最近の言葉であり、経営者の間での捉え方もそれが意味することより「補助金」に動機づけられてしまっている感じがします。経済産業省が意図している事業再構築の意味は以下の通りです。


事業再構築とは「新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、または事業再編のいずれかを行う計画に基づく中小企業などの事業活動をいう。(事業再構築により提供される)製品
、もしくはサービスの属する市場が、新規性を有するものである」ことです。この補助金が中小企業を対象にしていますが、事業再構築自体は大手企業にもあてはまる概念でしょう。


似た様な概念を持つ言葉として「事業再生」「会社再建」「ビジネスモデル転換」もあります。前の二つの言葉は、どちらかというと破綻した会社を再生したり、再建するというニュアンスが伝わってきますが、破綻や倒産という概念ほど曖昧な定義はなく、事業というものは経営者がギブアップした時がそれに該当し、仮に資金が枯渇しても存続できるものです。


事業再生や会社再建であっても、事業を再構築しながら新しいビジネスモデルを目指すものであり、その意味では「事業再構築」という概念に集約してしまった方が分かり易いと思っています。少し話しが飛躍するかもしれませんが、企業規模の大小に拘わらず多くの(=全ての?!)企業が事業再構築する必要に迫られている時代に差し掛かっていると思います。


これだけ社会の変化スピードが早まり価値観も大きく変わり行く中で、変わらぬは企業ばかりであり、それは企業が安定的な秩序を求める存在であることを考えると、諸刃のことを言う様ですが企業や事業といったものは、絶えずアメーバーの様に社会の変化に合せて変容(
=事業再構築)させていく必要があります。しかし、古き良き時代に浸り過ぎてしまった。


社会の変化を見届けながら、その都度、再構築により事業をマイナーチェンジして行くことが理想なのですが、現時点は旧態依然とした事業のあり方のまま存続している企業が余りにも多く、少し大鉈を振って事業再構築する時期なのでしょう。ただし、その時にこれまで築き上げてきた全てを捨て去り、新しいものを構築することではないことに留意が必要です。


事業再構築とは、これまでの事業を充分に見極め、その事業にとって核となる魂、ノウハウ
、技術にいま一度焦点をあて磨き上げるべく、これまでのビジネスモデルを壊してしまい再編纂するリデザインなのです。例えば、企画開発力が核を為すノウハウであるなら、それをモノに化体すればメーカーであり、コトに化体するならデザイン事業をも行えるでしょう。


事業再構築補助金も、スタートしてから3年目となりますが、コロナ禍対策という色合いが強くなり、事業を再び構築するという本質が形骸化してしまっているように見受けます。形式的な判断の基準として、既存事業と異なる業種や業態に進出するのであればOK!とする現在のあり方は、魂のこもっていない多くの事業を生み出し路頭に迷わせるだけでしょう。


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