誰にも聞けない経営財務戦略!

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KDDIとソフトバンク!

皆さん、おはようございます!
最近の動向を見ていますと、一部の企業にようやく将来に向けたビジョンを描こうとする会社が出て来たように思います。やはり当面の切り口としては「IT事業×既存事業」による、今までにない新たなサービスの提供ということになるのでしょう。



KDDIが、子供が就業体験できるキッザニアの運営会社を買収しました。携帯電話など通信事業を本業とする同社にとって全く異業種となるキッザニアの買収はどの様な意味を持つのでしょうか。現在、キッザニアでは東京と兵庫の2ヶ所で施設を運営していますが、今後、離れた場所からVRなどで就業体験できるサービスの検討をするそうです。


KDDIは、今年に入り語学学校のイーオンホールディングス、大和證券グループ本社と資産運用業の新会社を設立したり、食べログを運営するカカクコムを傘下に納めています。何れにも共通しているのは、携帯端末や通信ネットワークというインフラに対して、それらを媒体としたコンテンツサービスを拡充していることです。


今後、人口減少が本格化し、かつ来年秋に楽天が携帯事業に本格参入するなかで、ユーザーが減少することが予測されます。充実したコンテンツサービスを拡充させ、少しでも携帯電話の利便性を高めたいというのが狙いだと思います。また、自社の減少が予想される売上を維持する為にコンテンツ事業により補いたいという思惑もあるでしょう。


確かに、これらの多様なコンテンツサービスを自社で取り揃えるには、ノウハウも経験もありませんので、M&Aに頼る方が時間を買うという意味で手っ取り早いのかもしれません。しかし、何れのコンテンツ事業も競争が厳しく、本当に携帯通信会社として自社で取り組むべき事業であるかは少々疑問が残ります。


今後、IoT(インターネット・オブ・シングス:全てのモノがインターネットで繋がること)により家電製品のみならず、物流合理化のため商品にICタグが装着される様になりますと、通信回線の使用量が飛躍的に増加することが予測されます。また、IoTにより増える情報量をAIにより解析して社会の仕組みを自動化する流れがあります。


その様に来るべき将来像を描いたときに、やはりAI技術やIoT技術に経営資源を集中すべきではないかと思います。コンテンツサービスは、ライフスタイルの多様化に従って今後、枚挙にいとまがなく多様な事業が出現して参りますので、企業買収をしていたら切りがありません。それこそ、事業提携で足る話しではないかと思います。


一方、同じ携帯通信事業を中核に持つソフトバンクグループは、先日発表されましたトヨタ自動車との自動運転やコネクテットカー(=通信で繋がるクルマ)の取り組みに見る様に、クルマをも情報端末と見立て、AI技術やIoT技術の取り込みに経営資源を集中しています。英半導体設計会社、アームホールディングスの買収にも意味が出て来ます。


IoTが社会に広まるということは、様々な所で半導体が使用されることになります。
携帯通信会社が通信事業の根っこの部分から押さえ様というのですから、構想力が素晴らしいと思います。当初、アームホールディングスを買収した時には、携帯通信事業者に半導体というハードウエアの経営は出来ないと思ったものです。


しかしながら、その後の10兆円と言われるソフトバンク・ビジョン・ファンドを立ち上げ、世界各国のライドシェア、AI、自動運転を営む企業の買収を次々と行い、孫社長の情報化社会における構想が次々と明らかにされて行くことになったことは既にご存知の通りです。これからの社会の情報インフラを押さえるスケールの大きな夢のある話しです。


KDDIとソフトバンクという同業2社の将来事業構想の違いは非常に対照的だと思います。ソフトバンクは孫正義という創業者がいるからこそ出来る大胆な構想であるのに対して、KDDIは国際電信電話と第二電電、日本移動通信が経営統合して出来た会社であることを考えますと、その差は明らかとなってしまいます。


日本の多くの企業がKDDIのような企業体質なのではないでしょうか。
ピラミッド型の階層構造を持つ組織の中で、社内のコンセンサスを得ながら意思決定をしていくのは大変だと思います。それでも、コンテンツ事業を矢継ぎ早に買収している姿を見ますと、他の国内企業に比べて柔軟な会社と言えるかもしれません。


時代の過渡期にあって、日本の企業はもっと柔軟に将来に対する構想を描いて行かないと日本の社会が人口減少が著しくなる中で、経済が衰退するだけとなってしまいます。
その意味で、ソフトバンクのトヨタ自動車という耐久消費財を生産販売する企業との連携がどの様な方向に向かうのか、あらゆる意味で目が離せないと思います。


今日もありがとうございます!
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財務テクニックとアート感覚!

皆さん、おはようございます!
最近、事業会社などでもM&Aサポートする事業に参入する企業が増えています。
そんな事業立ち上げを仰せつかった元同僚と久しぶりにお会いしました。
彼もM&A業界の中で20数年選手、M&A業界の萌芽期を支えたベテランなんですね。



資本コストという言葉をお聞きになられたことがありますでしょうか?
企業が借入金や資本金を調達する際に、その見返りに資金の出し手から要求されるコストのことです。借入金であれば、契約書に金利が記載されますが、資本金は契約を結ぶわけではありませんので、資本金に対するコストが目に触れることはありません。


株主に対する配当も資本金に対するコストではありますが、それはコストの一部であり全体を示している訳ではありません。資本金に対するコストとは、投資家がその企業に投資する際に許容するリスクを勘案して、それに見合う期待収益を要求するものです。投資に際しては必ずリスクを伴うものであり、リスクと期待収益が均衡します。


投資家からしますと、企業に資金を貸付けるよりも出資をする方が手元に資金が戻って来るリスクが高いため、高い利回りを要求します。また、企業によって事業リスクの程度が異なるため、求める期待収益も異なってきます。それを最も安全で元本割れリスクが少ないといわれる国債の利回りとの比較均衡の中で投資家が決定して行きます。


今年、金融庁と東京証券取引所が策定した上場会社のコーポレートガバナンス・コード(=企業統治指針)において、この資本コストを意識した事業戦略を各企業に求めています。背景には、世界の経営者は資本コストの意味を全員が理解していますが、日本の経営者はまだまだ理解していないことにあるようです。


確かに、この資本コストを上回る利益を企業が出していれば、それに応じて企業価値が高まることになります。それは、事業を営むにあたって資本を効率良く使用することを意味します。資本を効率良く使用すると言いますと、直ぐに事業効率を高めることのみを連想しがちですが、必ずしもM&Aやスケールメリットの追求だけではないと思います。


いまの時代に必要なのは、事業の付加価値を高めること、すなわち社会動向に合わせて一度確立した事業を改編して新たな事業へと生まれ変わらせることが必要でしょう。
モノを製造し販売する企業であれば、単に製造販売するだけではなく、販売した後の使用価値を高める為に必要なサービスを提供することなどが考えられます。


なかなか新たな事業の方向が見い出せない中で、資本コスト概念ばかりがクローズアップされてしまいますと、事業コストの削減にばかり目が行きがちとなってしまいます。
投資家が求めているのも、その様な内向きな財務テクニックにより企業の利益を増やすのではなく、将来に対する魅力的な事業構想により社会を豊かにすることだと思います。


いまの社会は技術ばかりが研ぎ澄まされておりますが、その技術を駆使して豊かな社会をを創造・表現しようとする人間活動が洗練されていないように見受けます。この創造・表現しようとする人間活動のことを芸術感覚やアート感覚と置き換えることが出来ると思います。本来、技術と芸術は対を為すものですが、そのバランスを欠いていると言えます。


芸術やアートは、それを描く人の社会に対する感情や感覚を表現することにあります。
そこには人間としての全人格的な考えや哲学が投影されているものでしょう。それを表現する為に技法や技術といったテクニックが必要となります。それが技法や技術ばかりが目的化してしまっており、肝心の何を描くかなおざりとなってしまっています。


いま各地で中小企業の新規事業立ち上げの支援をさせて頂いております。既に事業を営んでおり、その中から派生的に事業を創りだそうとしている企業、ゼロから新たにスタートする企業など様々です。皆さん、それぞれにご自身の社会に対する思いをお持ちです。
事業を通じた社会に対する自己表現だということが出来ます。


事業という芸術作品を完成させるためには、様々な技術を持つ人々の支援が不可欠です。
こと資金調達の局面では、大手企業が資本を市場から調達する様に、思う様に金融機関から借入が出来ないのが現実です。金融機関も従来の担保主義による貸付から、事業そのものを評価する様になってきていますが、実績を伴なわない構想だけでは限界があります。


新たに事業を営まれようとする側も、最初から多額の資本を必要とする事業を構想するのではなく、事業を小さく産んで少しづつ大きくしていく視点も必要かと思います。
そんなスタートアップ企業とは異なる新規事業に資本が還流する市場が必要であることも
忘れてはならないでしょう。


今日もありがとうございます!
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躍進するドン・キホーテ!

皆さん、おはようございます!
10月も後半に差し掛かって来ました、早いものですね。
朝5時に起床しますと辺りはまだ真っ暗です。30分位すると空が白みはじめて来ます。
コーヒーを飲みながら新聞を読んだり、ブログを書いたり、一番落ち着く時間です。



ドンキホーテホールディングスがユニーファミマホールディングス傘下のスーパーマーケットであるユニーを子会社化するようです。元々、両ホールディングスは資本業務提携関係にあり、今回の取り組みによりその提携関係をより一層強固なものにして行くことも視野に入れています。


今回の子会社化は、業績不振のユニーの店舗を梃入れすることが目的となっています。
昨年、既にユニーの一店舗をドン・キホーテへ業態転換したところ、業績が大幅に改善した実績を受けての取り組みです。ドン・キホーテとしては、今まで手薄であった生鮮食品を強化することも目的となっているようです。


ドンキホーテホールディングスは、ユニーを子会社化することにより売上が1兆7千億となり、イオングループの8兆円、セブン&アイグループの6兆円に次ぐ規模となるようです。成長性という点では、小売業の2巨大グループを凌ぐ勢いを持つドンキホーテホールディングスを取り込もうとする伊藤忠商事グループの戦略が窺い知れます。


スーパー業界もチェーンストアオペレーション理論を欧米より導入して規模の経済を目指したのが高度経済成長期であったと思います。その後の2度に渡るオイルショックを背景に、M&Aによる合従連衡が進み業界再編に至っています。そんなスーパー業界も、売れ筋商品に商品種を絞り、価格訴求を進めた為に更なる価格競争に追い込まれています。


その様な中で、多品種商品を低価格で提供する独自路線を歩み躍進するドン・キホーテに注目が集まっても不思議はありません。ドン・キホーテは大手スーパーの様に店舗を標準化せずに、各店舗毎に商品仕入れの裁量を任せているという違いが、消費者にとって商品を探す楽しさや、値段に対する満足感として現れているものと思います。


確かに、チェーンストアオペレーションの導入により、買回り品の価格が下がり消費者の便益が向上したという点においては、社会にとって評価に値するものがあります。
しかし、その便益も一巡すると、スーパー各社は更なる効率化を追求して、売れ筋商品に取り扱い商品種を絞り込むという行動に出ています。


消費者にとっては、商品を選ぶという自由を制限されてしまい、買い物の楽しみが減少してしまっているということが出来ると思います。買回り品なので、日々の生活の効率を考えますと、それほど心理的な苦痛ではないかもしれませんが、これが耐久消費財や趣味品となりますと、消費者のライフスタイルに合う逸品を探し求めたいものでしょう。


本来、消費者にとって満足のいく商品というものは、生産者の顔が見えて、その生産者の商品に対する思い、考え方が伝わって来るものではないかと思います。ところが、いまの社会は全てにおいて規模の経済や効率性を追い求め過ぎているが故に、商品の生産に関わる人たちが分業化されてしまい、誰が作っているのかが分からなくなっています。


生産者個々人にとっても、商品企画、商品開発、商品生産、商品販売が各々独立した部門、更には別法人に機能が分化されてしまっている為、モノづくり対する愛着が薄れ、機械的になってしまっているのではないでしょうか。その様な中で、生産者側の無責任な不祥事が増えていますので、消費者の信頼感まで損なわれていると言えるでしょう。


最近、個々人の消費動向について、モノからコトへ転換していることを取り沙汰されることが多いと思います。これは、社会の行き過ぎた分業化、標準化、効率化に対して私たちが危機感を覚え始めているからではないでしょうか。過去の良き時代に対する郷愁と見ることも出来ますが、部分最適を追求し過ぎた結果だと思います。


消費者と生産者との間に信頼感があって、はじめて商品性が追求されるものではないでしょうか。いまの社会の仕組みは、人間と人間の信頼できる結び付きを疎外しているので、逆に私たちは繋がりを大切に思う様になって来ているように思えます。その切っ掛けが、情報技術によるソーシャルネットワークということもあるかもしれません。


また、行き過ぎた部分最適を全体最適化する為に、AIの様な情報技術が負う役割も大きいと思います。しかし、どんなに情報技術が進展しても、最後は人間と人間の現実のコミュニケーションによってしか、信頼関係を築くことは出来ません。社会が進展すればするほど、意識的に友好な人間関係を育んで行く必要があるでしょう。


今日もありがとうございます!
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