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多様な個性が活躍する時代!

皆さん、おはようございます!
働き方改革や通年採用への移行など、変革の時代を迎えて企業は着実にマネジメントのあるべき姿を変えはじめています。非連続性の社会の中で、今までの成功体験の延長ではこれからの企業の存続が危ぶまれることを充分に認識してのことでしょう。



総合商社丸紅の国分社長は、10年後、20年後に丸紅が生き残れるのか非常に強い危機感を持っていることに言及されています。商社という企業は、縦割りで、均質性が強い集団であることがこれまでの強みでしたが、非連続性の時代には反対に弱みとなる可能性があることを示唆しています。


会社として生き残って行く為のキーワードとして「多様性」を挙げられています。人材の多様性を持続的に確保して、新たな知をどんどん入れて行く「エコシステム」を創り上げて行くことが不可欠だとしています。異なる価値観、思考、経験などを掛け合わせた「知のバトル」や「化学反応」を起こし、新たな価値を創造することの意義を説いています。


丸紅では、人材面で新卒だけでなく、専門性の高い中途採用も積極的に通年で採用している他、退職した人材の再入社にも柔軟に対応しているとのことです。一方、丸紅の社員を地方銀行へ出向させ、地方銀行のお客様の海外進出の支援を行うといった取り組みも初めています。正しく、多様な個性を入れ込んでいると言えます。


その他にも、4万人のグループ社員から40歳前後を中心に25人を選抜しセッションを行う「丸紅アカデミア」の開催、ならびに1業種1社との間で1~2人の社員を出し合う人材交流プログラムなども始めているそうです。異なる企業文化を持つ人材を交流させることにより、新たな価値を創造しようとする枠組みを矢継ぎ早に打ち出しています。


目に留まりますのが「ビジネスモデルキャンパス」です。ビジネスモデルキャンパスとは、ビジネスモデルをビジュアル化して記述、分析、デザインするツールです。会社の持つ300以上あるビジネスモデルを整理し、可視化するプラットフォームを設置し、社員からのアイディアを喚起する仕組みを採り入れていることです。


それにより、新規顧客の開拓やビジネス同士を掛け合わせることにより新たなビジネスの創出に繋げて行きたいようです。また、事業企画を競うビジネスプランコンテストも定期的に開催しています。丸紅という企業グループをプラットフォームとして捉え、社内外の「知」を交わらせ新たな価値を創造していきたいとしています。


もともと総合商社は、化学品、食品、プラントといった商品の貿易に関わる仲介をするのみでなく、利権を押さえて事業展開するアクティブさが売り物だったともいます。最近では、産業のバリューチェーン(=原材料から商品を販売するまでの価値連鎖)を囲い込み業界自体を再編することを手掛けています。


その様な総合商社であっても、事業領域別の縦割り組織構造が、また業務の標準化が社員の活力を失わせてしまっているということが出来ます。定型化してしまった業務をつつがなく運営する様になりますと組織が硬直化するものです。総合商社に拘わらず、メーカーやサービス業であっても、企業組織内で同じ様なことが起きているものと考えます。


どこの企業も仕事上の課題を解決するために、前例を探しに行ったり、前例のないことであれば誰かの言質を貰わないと、社内のコンセンサスを得ることが出来ないまでになってしまっています。組織の脇を固めるという意味では良いのでしょうが、これからの前例のない新たな社会を迎えるにあたっては、自律的に解答を出さねばなりません。


その意味では、多様な人財を社内に配し縦割りとなった社内の風通しを良くすること、更には企業間の垣根を低くして様々な価値観、思考、経験を持つ人財が交流することにより知の化学反応を起こさせることは的を得ていると思います。もちろん、知を交流させて新たな価値を生み出す為には、個々人が一定の人間的な深みを持っていることが必要です。


それから、ビジネスは様々なステークホルダーの利害関係の上に成り立っていますが、今まではその利益相反する関係の中で一方が得をすれば、一方が損をするという仕組みの中で成り立っていたと思います。しかし、これからはその様な構図ではビジネスの持続性は失われてしまいますので、各々の関係者の共通の価値を見い出して行く必要があります。


これらのことを突き詰めて行きますと、究極的には働く個々人の人間性と信頼関係に行きつきます。各々の個性を認め多様な経営を行って行くことが、これからの時代の企業のあるべき姿に近づくと言えるでしょう。その時の企業は、枠組みではなく、様々な人々が集う枠のないプラットフォームになるのではないでしょうか。


今日もありがとうございます!
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