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日本型雇用慣行の終焉!

皆さん、おはようございます!
長年続いた新卒一括採用にも、ようやく終止符が打たれました。これも明日に向けた時代の流れであり、戦後体制から新たな社会への枠組みへと移行する時を迎えたと言えるでしょう。これからは知識集約型の社会へと急速に変貌を遂げて行くと思います。



経団連と大学側は22日、新卒一括採用に加えて学生個人の意思に応じた複線的で多様な採用形態(=通年採用)へ移行することで合意しました。これによりジョブ型という個人の能力を重視する通年採用への道が開かれ、戦後続いた新卒一括採用と終身雇用に偏った雇用慣行は転機を迎えることになります。


いままでの新卒一括採用は、日本の経済が継続的に右肩上がりに成長して行くという前提の中で考え出された制度です。企業側も採用段階において特に新卒学生に職務に必要な求めるスキルを明示せず、採用後の社内教育やジョブローテーションを通して、その企業に相応しい人財を育てて来たものです。


その意味では、新卒一括採用は終身雇用と結びつく考え方であり、企業が安定して成長し続けていれば、とても合理的な人事制度だということができます。ところが、モノが充足され、生活者の価値観が大きく変容する社会では、企業が今までの様に成長し続けることはなく、どの企業も自己変革しなければならないことに気付かざるを得ません。


この様な背景の中で、企業は技術革新とグローバル化というイノベーションに舵を大きく切りはじめています。その様なIT人材やグローバル人材を新卒一括採用で画一的な社内教育で養成して行くには時間もコストも要するため合理的だとは言えません。そこで通年採用で、その様な能力のある学生を採用出来るようにするというのが今回の目的です。


学生側も、折角、自己の将来的な夢や抱負を持って大学で勉学に励んでいるにも拘わらず、大学3年生から始まる就社という名のエスカレーターに乗り遅れる訳に行かず、本来の学生の本分を投げ出し、就社活動に勤しまざるを得ない。また、就社先が決まり暫くするとそのまま卒業を迎えなければならないという矛盾を抱いていたと思います。


いまの若い人たちを見ていますと、学生時代に自分の遣りたいことに対して一生懸命に活動しており、その意味では非常に個性的で多様な学生生活を送っていると好感が持てます。ところが、大学3年生になると就社を意識せざるを得なくなり、自分の遣りたいこと自分のできること以前に会社に採用されることを優先せざるを得なくなってしまいます。


採用する企業側も、学生時代までに培ってきた経験が即企業で生かせるとは考えておらず、入社後に配属先を割り振り、異動で幅広い部署を経験しながら昇進させていく、文字通りの総合職を養成することに何も疑問を持ってこなかったと思います。しかし、いまの企業は複線的で多様な人財による知識集約型の組織への移行が急務となっています。


本業である事業を維持して行く為の業務ではなく、その事業を情報化社会に相応しい新たな事業へと転換させて行くことが不可欠な中で、ひとつの会社で通用する人財をいくら養成しても、ビジネスモデルが変わればそれらの人財は人材と化してしまいます。新たなビジネスモデルを創くる為には様々なアイディアや考えを持つ多様な人財が必要です。


その意味では、これからの企業にとって必要な人財のスペック(=能力)を明確にしていくことが必要であり、新卒の通年採用とともに、中途採用の通年化も行って行く必要があるでしょう。新卒一括採用が不要であるという意味ではなく、新卒一括採用、新卒通年採用、中途通年採用を1/3位ずつ採用して行くべきではないでしょうか。


これからの時代は、働き手も自律的に自らの能力開発を行って行く必要があります。多様な人財を企業が研修により養成することは不可能だからです。企業組織というものは、標準化により効率性を追求して行く枠組みです。複(=副)業制度も導入されていますが、これからは働き手自身が自律的に自らの能力を高める企業を見つけて来る時代です。


むしろ、これからの企業は企業の垣根を越えたプロジェクト型の仕事が増えて行きますので、働き手も自身の能力を生かせるプロジェクトに付いて回りますと、必然的に従来の終身雇用という考え方も薄れて行くことになると思います。企業は、事業単位でアメーバーの様に他の企業の事業と寄り添ったり、離れたりする時代でしょう。


日本の家族主義的な集団の良さを残しつつ、働き手個々人が自己の専門性を高め、企業の内側と外側の壁を柔軟に風通し良くしていく、そんな組織が到来することでしょう。
必要なのは、業界や企業の垣根を越えて、専門性の高い働き手同士が自由にコミュニケーションを図って行く中から、明日に向けた新たな知識が創りだされるということです。


今日もありがとうございます!
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