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ベンチャーデット!

皆さん、おはようございます!
事業の目利き力。私がこれまでの経験の中で身に付けてきた能力だと思います。それは財務諸表のような過去の実績を分析することでなく、将来に向けたビジネスモデル、成長性、事業性、経営能力を見極めることです。その中でも一番大切なのが経営者の人物像なのです。



地方銀行が新たなスタートアップ向け融資に取り組み始めてます。ベンチャーデットと呼ぶ手法で、株式転換権や新株予約権を付けるなどしてリスクを軽減、従来では難しかった赤字企業に融資します。静岡銀行は融資残高を1千億円に増やす方針で、あおぞら銀行は専門人財を3割増やし、横浜銀行、きらぼし銀行、東京スター銀行は本格参入を果たしています。


新機軸のスタートアップ融資は、新興企業にとって新規調達の選択肢を広げ、低金利下で事業環境が厳しい地方銀行の収益源となるでしょう。これまで本業である金融業務について起死回生の打開策が見いだせなかった地方銀行にとっては、合従連衡による規模の経済の追求によってお茶を濁してきた感がありますが、事業性評価という王道に資する取り組みです。


既に米国はベンチャーデットによる年間調達額が318億ドル(=約4.5兆円)に上っています。一方、日本はまだ市場の形成が始まったばかりです。地方銀行としてスタートアップに融資することによりリスクを取るのなら、その見返りとして堂々と比較的高い利息収入を期待すべきでしょう。通常の融資利息が2%代にあるのに対して3~4%代になります。


これまでの地方銀行をはじめとする金融機関は、融資に際して経営者に個人保証を要求したり、信用保証協会の保証を付けた融資に留まっていました。過去の財務状況から融資審査をするのが一般的であり、将来性があっても赤字で貸倒リスクのある企業への融資には及び腰でした。それが、個人保証を取らず事業性を評価するスタンスが芽生え始めたばかりです。


日本では創業して一定期間経った新興企業への資金供給が先細りしており、有望なスタートアップが育たないと言われています。その領域の資金の出し手はVC(=ベンチャーキャピタル)と言われる金融機関がファンド資金を活用して出資しており、それでも数千億円という非常に狭き門となっていました。日本政府も国力に影響するだけに危機感を強めてます。


私は、スタートアップの定義を新たに創業したばかりの新しい企業に限定することなく、第二の創業を目指している中小企業や創業からの期間に関わりなく社会イノベーションを果たそうとする気概のある企業と考えてます。それら企業にも当然にベンチャーデットを当てはめ適用することが出来る訳であり、社会的な意義のある生きたお金の使い道だと思います。


地方銀行には、本業である金融事業以外にも中小企業の経営支援や地域の活力を取り戻すための事業に参入することが認められてます。代表的な例が地域商社です。このベンチャーデットと併せて融資後の企業の成長をサポートする体制を整えることにより、事業状況のモニタリングにも繋がりますし、企業の事業性を評価する目利き力を醸成することが出来ます。


確かに業績が軌道に乗る前の事業への融資には、事業性を評価したり、事業の成長を支援する目利き力が不可欠となりますが、その様な人財は一握りしか存在しないため、どの様に育成していくかが課題となるでしょう。ともかく、数多の成功や失敗体験をしながら暗黙知として身体に覚え込ませるしかないでしょう。ただ数字ばかりを追い掛けても駄目なのです。


今日もありがとうございます!
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