誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

リース会計基準変更をファイナンスの見地から捉える!

皆さん、おはようございます!
目先の業績に一喜一憂せずに、長期的な展望に立ってバックキャスティングによって日々の活動を充実させて行くことが大事な時代だと思います。向かっていくべきビジョンが明確であればあるほど、長ければ長いほどしっかりその思いを心に刻んでいく必要があるのです。



企業の経済的価値を算定する場合において煩わしいのが、このオペレーティングリースの内容を把握しずらいことでしょう。この潜在的なリースの将来債務を顕在化させるべきか否か
、またそれを把握する際の手間を考慮しますと財務諸表にオンバランス(=貸借対照表に計上)されていれば、よりスムーズにそして正確に企業の経済的価値を算定できるからです。


これまでの企業会計は、どちらかといえば法形式に則り、実際に所有権が存在するか否かにより資産計上するか否かの判断をする考え方が根底にありましたが、いまはその経済事象の源泉を当事会社が保持してるか否かにより捉えることで、より経済実態に近い形に企業の経営成績や財政状態を近づけて行こうというのが、世界的な企業会計の潮流となっています。


そのことを別の言い方で示せば、過去の取り引きの結果としてその時点の価額で貸借対照表に計上(=取得原価主義会計)し、各年度の損益計算書における連結環の役割を果たしている貸借対照表は、相対的真実性に基づきより正確な利益計算を目的とした損益計算書の重要性を強調するあまり、一体何を表現する為の報告書類かが不明確になっていたと言えます。


損益計算書が表現する利益の正確性は、それはそれで大切な一つの財務報告なのですが、一方で財務諸表を利用する投資家をはじめとする企業利害関係者は、短期的(=ここでは1年という人為的に区切った会計期間を示します)な利益だけでは、いったいその企業にどれだけの経済的価値があるのか理解することが出来ないという側面に留意する必要があります。


安直に貸借対照表が一定の前提条件の下、企業の経済的価値を判断する上での参考となる資料となればそれに越したことがないと思います。しかし、今回のわが国リース会計基準の変更を含め、世界の企業会計の中心的な考え方は、出来る限り貸借対照表でそれを表現して行くことにあります。互いに関連する損益計算書と貸借対照表を如何に分けるかが大切です。


現代会計の利益は、現時点での正味利益を表している訳でなく、あくまで収支計算を前提としています。売上は販売時点の公正価値により測定されますが、それに対応する取得費用は過去の取得時点に支払った金額(=極論すれば100年前の取得価額でも良い)が適用される(=貸借対照表は時間軸が混在している)ので何をもって利益というか矛盾が生じます。


ファイナンスの観点に立てば、お金には時間コストがありますので同じモノを取得しても100年前と今年では当然に価値が異なりますので、その差額を利益として捉えることには些かの疑問が残る訳です。企業にとって見ても、物価変動や時間コストというものは商品の販売に係るコストではなく、本来、保有し続けた事による資本修正利得だと言えるでしょう。


その様な矛盾が会計と財務の間にある訳ですが、その溝をどの様に埋めながら両者が歩み寄って行くのかを見守りたいと思います。一般の生活者にとり、モノの取引きは時価で行うことがフェアだということが将来に渡り変わらないでしょう。企業会計も難しい規定の理解が不可欠ですが、それにも増して企業財務を理解していないと先行きを見誤ってしまいます。


今日もありがとうございます!
https://crelife.co.jp

×

非ログインユーザーとして返信する