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資本の論理にどう向き合うか!

皆さん、おはようございます!
本当に強い人間は、自分の夢を追い求め邪念をもたずにまっしぐらに走り抜けている人ではないでしょうか。人間は様々な利害関係の中で揺り動かされているものと思いますが、その様な人は周囲に迎合することなく自分の信念に従って自然と他者を巻き込んでしまいます。



「セブンイレブンのスピンオフ(=分離)で株主価値が80%高まる」と、物言う株主として有名な米バリューアクト・キャピタルは、セブン&アイ・ホールディングス株主に向けて
、同ファンドが考える経営改革への賛同を求める書簡を送っているそうです。この話しを聞いて、資本の論理に対する遣る瀬なさと身が凍るような思いを感じざるを得ませんでした。


総合スーパーマケットのイト―ヨーカ堂、コンビニエンスストアのセブンイレブン、百貨店のそごう・西武、ファミリーレストランのデニーズなど、多様な業態を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングスがそごう・西武の完全子会社を決めたのは2005年の持ち株会社化をした直後のことだったと思います。その時のことを自分の事の様に克明に覚えてます。


当時の会長であった鈴木敏文氏の陣頭指揮によって、様々な企業に出資して複合経営を加速していた時期だと思います。様々な業態の小売り業を傘下に収めることによって、生活者に対して複合的なサービスを提供しながら、各々の業態の傘下企業が相乗効果(=シナジー効果)を発揮して、コングロマリット経営を成功に導いていく構想であった筈だと思います。


しかし、時価総額は過去10年で約2倍に伸びたものの、持ち株会社が発足した直後の高値と比べて約2割減っており、コンビニ業界トップの高収益企業であるセブンイレブンの経済価値を総合スーパーや百貨店などの他の業態によって足を引っ張っている構図が見え隠れします。多数の事業を抱えるグループ企業がコングロマリットディスカウントに陥ってます。


そこに物言う株主である米バリューアクト・キャピタルが付け入ってきたということが出来るでしょう。同じようにコングロマリットディスカウントに対して物言う株主から付け入れられた企業グループとしてソニーグループがあります。ソニーグループは、電機や映画、ゲームなどの事業のシナジー効果を引き出し、時価総額を10年で15倍に伸ばしています。


セブン&アイ・ホールディングスは、お客様を呼び込む為の改革に踏み込めず、結果的にそごう・西武の店舗閉鎖することを優先したばかりか、挙句の果てにそごう・西武を米ファンドに売却する方針を打ち出すに至っています。確かにそごう・西武をはじめとする百貨店業界の凋落ぶりは、コロナ禍による来店客の消失があったとはいえ惨憺たるものがあります。


一方で、三越伊勢丹ホールディングスの伊勢丹新宿店の様に、お客様が本当に欲しいと思う商品を取り揃える事で、業績を伸ばしているそうです。セブン&アイ・ホールディングスもかつてはロビンソン百貨店を直営し撤退した経緯を持っており、百貨店経営の難しさも知っている筈です。結果的に、そごう・西武の経営に介入出来なかったのではないでしょうか。


仮にセブン&アイ・ホールディングスが株式公開してなかったとしても、グループ各社のシナジー効果を発揮していくことは最低限行わなければならないことでしょう。それさえ出来ていれば、物言う株主に付け入られることなく自信を持って独自経営戦略で論破することが出来るでしょう。それが株価に結びついてなくとも事業として正しいことを為すべきです。


今日もありがとうございます!
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