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人的資本経営時代の企業価値!

皆さん、おはようございます!
中小経営者の中には、経営者とはこうあらねばならないという幻想に捉われている方が多いのではないかと思います。経営者だって人間ですからオールマイティーに出来なくて当然ですし、むしろそれをさらけ出して他者に仕事を任せる器量を持たねばならないと思います。



ソニーグループのゲームや半導体事業の成長期待が切り下がるなか「脇役」だったエレクトロニクス事業に関心が向かっているそうです。それは同事業が高水準の投下資本利益率(=ROIC)を叩き出しており、単なる家電事業を超えたエンターテイメント事業(=映画や音楽)を支える技術やサービスに広がりを見出そうとしている事を物語っているからです。


エレクトロニクス事業の営業損益が薄型テレビの構造改革などで黒字転換したのが2016年3月期。それまでの赤字に沈んでいる間にソニーはゲームやエンターテイメント領域の事業を伸ばし、設備投資では半導体事業を強化してきた経緯があります。ところがゲーム事業は米マイクロソフトが約9兆円の大型買収を進めるなど、競争環境に変化が起きています。


半導体画像センサーは世界のスマートフォン需要が鈍化しかつて程の成長性が見込みづらくなりつつあります。自動運転向け市場が立ち上がりつつあるものの、市場全体では当面スマホ向けが大半を占めるとされています。主力事業への期待が弱まったところに米国の利上げなどが重なり、年初に一時26倍を超えたPER(=株価収益率)が20倍を下回ります。


ソニーの理論上の企業価値は、複合企業が手掛ける各事業セグメント毎の価値を足し合わせるSOTP(=サム・オブ・ザ・パーツ)分析で算出されますが、エロクトロニクス事業のROICが28%とゲーム事業の42%に次ぐ高水準となっており、成長期待は大きいが収益性が低い(=10%前後)エンターテイメント事業や半導体事業を大きく凌駕してます。


と、ここまでがこれまでの時代の企業の経済価値(≒株価)を事業領域毎にポートフォリをによって分析しながら株価を最大限高めて行く株価経営のセオリーです。私も2000年代初頭に大手化学メーカーに勤務していた時に低迷する株価を立て直すために使った手法です
。でも、企業経営の観点から株価の追求を目的化するといずれ底なしの泥沼に嵌まります。


考えてもみれば、企業が規模の経済を追求することに合理性を見出す様になったのは、社会が物質的な需要を満たすことに価値を見出す工業社会化の道を歩んできたからではないでしょうか。生産工程を科学的に管理するテイラーシステムを導入した自動車産業などに代表される大量生産手法の確立により、歴史上でも類をみない経済成長を謳歌した20世紀です。


モノづくりと表裏一体にあるがファイナンスです。モノづくりの科学的管理と相まって資金についても科学的に管理すべく金融工学が発展してきます。それは資本で換算できるモノづくりだからこそ金融工学的手法によって資本のコスト概念と結びつき、株価を算定する評価モデルが確立して行ったわけです。しかし経済の主役がモノから知識に移り変わってます。


ここでの知識とは人間が創出するアイディアやノウハウを指します。部品を調達するメーカーとは異なり、人間から自然発生的に生まれてくる知識に購入価格などはありません。しかし企業は良質な知識を創出すべく人財やその周辺環境に投資をする様になることから、その人財投資に対する収益の観点から無形の人的資本価値に焦点があたる様になるのでしょう。


今日もありがとうございます!
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