誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

オリックスの投資スタンス!

皆さん、おはようございます!
8月も残すところ4日となり、まだまだ残暑厳しい日々が続きますが、どことなく秋の気配がするといったら言い過ぎでしょうか。降り注ぐ刺さる陽射しの中にも、柔らかい心地よい光を感ずる様になっています。秋の訪れは、意外に駆け足でやってくるのかもしれません。



オリックスは国内で企業投資を拡大するそうです。従来から強みを持つ中小企業の事業承継の受け皿としての取り組みに加え、外部より専門人財を招聘し大型カーブアウト(=大手企業の事業切り離し)案件にも本格参入し、投資資産規模を今後3年程度で現在の3倍である約1兆円にする計画です。オッリクス全体の営業資産約12兆円の1割弱あたる規模です。


同社はノンバンクとしてリース、不動産、保険などの事業と並行し、自己資金で事業投資を手掛けてます。あまり業種を問わず企業価値で数百億円規模の会社を買収し、社員を買収企業に派遣して経営にあたってます。これまでに酪農・農業機械のコーンズ・エージーや地理情報システムのインフォマティクスなどに投資を行い現在も17社に投資を行っています。


本来、金融会社であれば投資先の価値を高めた後、IPO等により資金回収を図るのですが
、そのままグループとして取り込み事業運営していく場合もあるそうです。ファンドが投資先を通常3~5年で転売し利鞘を稼ぎ、事業会社が投資先を将来的に継続保有し運営利益を享受するのに対して、オリックスはその中間の長期継続投資により差別化を図っています。


更には、戦略上重点分野と考えられる事業領域については、例えばヘルスケアやIT(=情報技術)、物流などの事業領域で、複数社を買収しオリックスの新たな事業部門として成長させることも視野に入れているそうです。事業承継案件でも将来的に転売をしない可能性を持って、年間数百億円ずつ取り組んでいることは既に良く知られたところとなっています。


リース事業を祖業とする金融会社であるオリックスですが、なぜ事業を投資目的だけでなく事業目的で取得するのでしょう。また、オリックスのビジネスモデルを見ていつも思うのですが、総合商社の事業目的の投資と投資目的の投資と、どこが異なるのでしょうか。最近では総合商社も自社が持つ金融力を裏付けとして、業界再編目的の買収を繰り広げています。


リース会社は、同じ金融業界の中でも銀行や他のノンバンクと異なり、商品が金銭の消費貸借ではなく、物品の貸借であることにその鍵が隠されていると思います。物品という商品を取り扱っているため、当然にその商品の仕様や用途のみならず、金融会社として当然のことながらリスクに対しても目利きが出来ると思います。その商品を知り尽くしている訳です。


その様な専門的知見を持った上で、顧客の事業や業界のことを把握している訳です。その知見という事業上の無形資源を活用してビジネス展開することを考えれば、経営ノウハウを持たないことを除けば、事業そのものに参入することも考えられるでしょう。銀行や他のノンバンクは、その物品の目利き力を持たないところがリース会社と大きな違いだと思います。


それは総合商社にも同じことが言えると思います。商事取引により蓄積した特定業界や事業の知見を活かし、更に事業をオーガナイズするノウハウを活用しダイナミックな事業展開を考えれば、当然に事業目的の投資や投資目的の投資を行うということになるでしょう。ただし、リース会社にしても総合商社にしても、自らの存在意義を明確にする必要があります。


今日もありがとうございます!
https://crelife.co.jp

×

非ログインユーザーとして返信する